☆☆☆2003年10月20日☆☆☆
★★★四川省の秘境をめざして★★★
夜中に何回か目が覚めたような気がする。
5時45分、アラームの音で叩き起こされた。ここの目覚ましのアラームは強烈だ。
とりえずバスタブにお湯を入れて、ゆっくりとシャワーを浴びた。
バスルームから出てきたのは6時15分。ちょうどモーニングコールが鳴った。

ここのモーニングコールは自動音声ではなく、フロントから各部屋に電話しているようだ。
中国語は「ニーハオ」くらいしか聞き取れなかったがまあいいや。
7時までにスーツケースを出さなければならないのでパッキング開始。
昨日は長袖シャツ1枚じゃ寒かったからフリースを出しておこう。

着替えを終ってテレビを見ていたが、ここでもテレビショッピングをやっているな。
台湾とおなじく怪しげな物を売っている。こんなもん買う人がいるんだろうか。

7時になったので1階のカフェニ降りた。朝食はバイキングだ。
僕はパンを2個と小さな肉マンのような物を4つピックアップした。あとはコーヒーだ。
コーヒーはちょっと濃すぎるかな。

朝食を食べ終わり、部屋に戻って出発の準備。
記念にレターセットやビニールのバッグをもらって帰る。
中国のホテルはホテルの名前の入ったバッグがあるからいいな。

8時ちょっと前、ロビーに行くとみんなバスに乗りこんでいた。やっぱり冷えるな。
さて、これから今日一日は九塞溝へ向けて移動だ。
そして8時ちょうどにバスは出発した。
空は曇り空。さすが1年に250日曇りと言う成都。

途中李白記念館を見学。李白はこの四川省の出身だったのか。
一通りガイドさんの説明を聞いて見て回った。
帰りにお土産屋で漢詩の文庫本を1冊買った。16元でまけてくれなかった。
バスに戻り漢詩を読んでいると、高校の漢文の教科書に出てきた詩もあった。懐かしいなあ。

バスが走りだすと本を読んでいるどころではない。
中国特有のコンクリート舗装の悪路に加えクッションの悪いサス。
こんなので本でも読んでいたら一発で酔ってしまう。
その前に活字を追うこともできないかな。

その先は単調な田舎道を延々と走る。いつのまにか夢の世界へ吸いこまれた。
しばらくして昼食のレストランに近付いた。なぜかこの辺りは中央分離帯のある片側2車線。
レストランは左側なので、少し先をUターンする、のが普通だ。
しかしここは中国。遥か手前から対向車線を走ってくるバスがいる。それも何台も続けて。
なんだよ、あのバス。反則だ。しかしよく考えると、ここに規則なんてあったのだろうか。

そこは「山珍王」というレストラン。山菜料理の王様という意味なのかな。
出てきた料理は通常の中華。一品づつ皿に盛ってあり、円卓で食べる。
しかしこの食べ方、中国当局がSARSの蔓延防止のため禁止したんじゃなかったけ?
コップもなんだか薄汚いし、箸も半乾きのようだ。これじゃSARSも感染が広がるよ。
でも料理は美味しかった。

早めに食べ終わったので、僕は外に出て露天を見て回った。
甘栗や焼きいも、それにフルーツ類が主だ。
僕は甘栗が食べたくなったので、いくらかと聞いてみたが8元と言っているようだ。
しかし小銭が5元しかないというと、その分だけ天秤はかりで測って見せた。
規定量よりたくさん入っているように見せるため、栗のほうが下がるようにしているが、
そんなことは関係ない。分銅の位置が問題だ。しかしこれは僕にはわからない。
まあ5元といえば75円くらい。日本で買うと500円はする量だ。まあいいか。

その後、僕が栗を食べているのを見た他の人達も買い始めた。
そこは後発部隊の有利さだ。相場がわかったのでより多く入れさせている。
中には2元しか無いといって強引に5元分の栗を買った人がいた。これは強兵だ。

レストランを出て次に向かったのが平武県の報恩寺。5分ほどで到着。
そこは北京の広場を真似て作ったようなお寺だ。お線香のいい匂いが漂ってきた。
中にはたくさんの仏像や観音像があったが僕にはよくわからない。
奈良や京都にあるそれとほとんど区別がつかなかった。
でもお寺の中を見て歩くのは僕は好きだ。
いつのまにか雲が切れ、青空が広がった。上着を着ていると暑くなってきた。

報恩寺を後にし、一路九塞溝を目指す。まだ200キロほどはあるだろう。
ここからはワインディングの山岳路。所々路面に穴が開いていたり落石があったり。
うとうとしているとカーブでガラスに頭をぶつけて起きる。その繰り返し。
おそろしく高い峠に向かって山腹を行ったり来たりして標高を稼いでいく。
よくこんな道作ったかと思うよ。バスはひたすらワインディングを登っていく。
路肩には雪が残っていた。

どれくらい経ったころだろうか。バスは峠を越え、目の前に大パノラマが広がった。
バスはそこで臨時停車。ここは3300メートルの峠。バスから降りるとやっぱり寒かった。
ここが九塞溝の入口、といってもまだ2時間以上かかるという。
そこで記念写真を撮ってバスに戻った。
この峠がこんなに晴れているのは珍しいという。他にも数台のバスが止まっていた。

今度は下りのワインディング。相変わらず道は悪い。
だいぶ下の方に下ったころ、紅葉がきれいになってきた。
というのも標高の高いところは針葉樹ばかりなのだ。

そしてバスはパーキングのような所に止まりトイレ休憩。このあたりのトイレチップは5角(0.5元)だ。
しかしあちこちに「加水」って書いてあったけど何だろう。
するとドライバーがホースを引っ張ってきてホイルに水をかけた。
その瞬間、ルーフまで達するくらいの水蒸気が上がった。おいおい、よくフェードしなかったな。
そういえばブレーキが焼けた時の独特の匂いがする。大丈夫かな。
加水って、ラジエターに水を補給するって意味なのかな。それともブレーキを冷やす水?
だからこの辺りはトイレ兼加水所がたくさんあるんだな。

ブレーキも冷えたようなので出発。深い谷の川沿いを走っていく。
しばらくすると辺りはだんだん暗くなってきた。
でもこっちの車はなかなかライトをつけない。真っ暗にならないとつけないようだ。

ちょっとした街を抜け、バスは再び田舎道へ。いつのまにか辺りは真っ暗。
そして出発から11時間半。ようやく今日のホテル九塞溝国際大酒店に到着。
んんっ、なんだこの巨大なホテル。こんな山奥に。それも5つ星だ。
中国で5つ星のホテルなんて始めた。

ルームキーを受け取り部屋を探すがなかなかみつからない。
おかしいなあ、僕の部屋の番号が飛んでいる。なんでだ?
よくみると部屋番号は偶数ばかり。奇数はどこか別のエリアにあるようだ。

そしてようやく部屋を見つけた。ルームキーは非接触型のICカード。これはすごい。
早速部屋に入り内装を観察。部屋は広く快適。テレビはCNNも映る。
でもあまりゆっくりしていられない。10分後に集合して夕食に行く。
行く、といっても同じ敷地内なのだが建物が別。とにかく敷地が広いので歩いて5分はかかる。

夕食はバイキング。5つ星にしてはメニューが少ないな。
でもこんな山奥じゃそれも仕方がないのかな。
僕はチャーハンをメインに適当にピックアップ。
もう1つの皿はケーキでいっぱいになった。ケーキ食べ放題だ。
でもあまり食べすぎるとよくないな。エジプトの二の舞にはなりたくない。
適当に切り上げて部屋に戻りバスタブにお湯を入れた。

しかし全然お湯が溜まらない。栓の閉め方もよくわからない。
何回か施行錯誤するがどうしてもダメだ。栓を回してみると抜けたので見てみた。
すると1回押すとロックして、もう一度押すと解除になるようになっている。
しかしこのロックが壊れている。これじゃお湯が溜められないじゃないか。
星一つ没収だ、と言いたくなる。

さてどうしたもんか。添乗員の部屋に電話しても出ない。まだレストランだろう。
といってフロントにかけても中国語で応対されたら困るしな。
まあいいや、その辺のビニール袋を詰めておこう。そしてお湯を全開にした。

お湯を入れている間、洗濯をした。荷物を減らすため着替えを少なくしたからな。

一応なんとかお湯は溜まったが、やっぱり少しづつ抜けていく。
明日もここに連泊なので、朝苦情を言って直してもらおう。

明日は念願の九塞溝だ。ゆっくり休んで明日に備えよう。

本日の歩数:10171歩(バスのクッションのあまりの悪さのため誤動作の可能性大)
九塞溝国際大酒店泊 3347号室 ★★★★★
JIUZHAIGOU INTERNATIONAL HOTEL
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