やじさんの日記帳 2003年11月
イノシシに遭遇 2003,11,30
ついに今日で11月も終わりか。早いなあ。

朝目が覚めて、外を見るが青空は見えなかった。雨が降っているようだ。
朝食を食べた後、しばらくまったり。

車庫に下り荷物を片付けていると007オクトパシーのビデオが出てきた。
そういえばずっと見てなかったからカビのような物が生えていた。
んんっ、オクトパシーといえばインドが舞台だったな。久しぶりに見てみよう。

車を近所の公園に移動しビデオをセットした。が、ノイズばかりで何も映らない。
おかしいなあ、やっぱりテープがダメになったかな。
検証のため他のテープをかけてみたが、やはりノイズしか見えない。
もしかするとヘッドが汚れたかな。

積んであった湿式ヘッドクリーナーは洗浄液がみあたらないので家に戻った。
そして乾式のクリーナーをかけるとしばらくして映像が見られるようになった。

ふたたび車を移動。テープをセットし画面を見入った。
しばらくして舞台がインドへ移動。あっ、見たことのある川。ガンガーだ。
思わず何度か巻き戻して画面に釘付けになる。

そしてタージマハ−ルを遠く望んでいるのはアグラ城だ。
無人のタージマハ−ルも映った。それに山の上の城はアンベール城だ。
あそこは象に乗って登ったんだよな。
湖の中の城は水の宮殿だったかな。僕が訪れた時は水は無かったけど。

自分の行ったことのある場所が映画の舞台になっているなんて。
それも日本から遥か離れた外国、インドが。ロジャー・ムーアが歩いた所を僕も歩いたんだな。
なんだか懐かしさと共に嬉しくなったよ。

あの時のツアーに参加したみんなは今ごろ何しているのかなあ。
あれからもう半年か。ついこの前のような気もするが、遠い昔の記憶のような気もするな。
いつか必ず、再び訪れてみたい。同じ所でも、きっと違った発見ができるはずだ。

2時過ぎ、一度家に戻った後、海が見たくなったので沼津へと向かった。
しかし途中で急に香抜山に行きたくなり進路を変更。
五重の塔がある公園の駐車場に車を止めた。

そしてトイレに行こうと思って車から降りると植込みの中に何か動く物がいた。
なんだなんだ、何かいるのか?と何気なく覗き込むと、うわっ、イノシシだ!
1メートルほどはある。僕は思わず後ずさりして車に逃げ込んだ。
イノシシもどこかに逃げていった。ああっ、びっくりした。
以前沼津でイノシシに襲われて十数人けが人が出たからな。

再び車から降りトイレに行こうとしたら、またいたよ。今度は小さいヤツ。
その子イノシシもどこか藪の中に逃げていった。親子なのかな。

しばらく車の中で様子を見ながら休んでいた。
すると再び子イノシシが顔を見せた。
藪の中を覗き込むと、親イノシシもいた。向こうも警戒しているようだ。
人を襲った凶暴なイノシシと違って牙もほとんど見えない。どうやらメスのようだ。

よく観察していると、子イノシシは好奇心が強く、人をそれほど怖がっていないようだ。
しばらくしてコンビに袋を持った老夫婦が来て何かを撒き始めた。
サツマイモの末端のようだ。するとさっきの子イノシシが至近距離まで寄ってきた。
そのうち母親も近寄ってきた。聞くとほぼ毎日餌をあげているという。
餌付けすることはいいのか悪いのか。たしかに良く見るとかわいいんだけど。

暗くなってきたので僕も家に戻った。
相変わらずの雨。はやく台風行っちゃわないかなあ。


↓藪の中でこちらを睨むイノシシ

ドーハの悲劇 2003,11,29
今朝は朝から雨模様。天気予報では一日雨のようだ。

朝食を食べた後、車庫に下りて窓に撥水剤を塗を塗ることにした。
やはりスプレー式のシリコン撥水剤は撥水効果が弱く長続きしない。
そこでフッ素系の撥水剤を再度塗ることにした。
窓が濡れているので拭き取った後、ドライヤーで乾かした。
そして右後ろの窓を除き、溌水剤を塗りこんだ。
これでしばらくは雨でも快適に走れるな。

その後、助手席でコンロを使えるように、水平にする台を作るため
三島のホームセンターに材料を調達に向かった。
まずはベニヤ板。A4くらいの大きさで十分なのだがそんなに小さいのは売っていない。
300×600くらいの5.5ミリ厚のベニヤがあったのでこれでいい。
あとは高さ調整する角材。こんなのは端材で十分。これを2個。
全部で400円ほどだった。

家に戻りお昼を食べた後加工開始。
まず板をジグソーで半分に切って、コーナーをシートに合わせてカット。
高さ調整用の角材の位置を決め、シーソーのようにならないようにスタビライザー?を取り付けた。
そしてそれに床用のカーペットを貼り付ける。
全体に接着剤を塗り、乾いたころに圧着する。しかしなかなか貼り付かない。
板が薄いので、周囲の折り返し部分の反発力が強いのだ。
しばらく押さえていて何とか貼り付いた。これで完成。1時間弱かかったかな。
普段使わないときは助手席の下に収納できる。

その後近くの公園に行き実験開始。
コンロも安定してお湯が沸かせることがわかった。
そしてJリーグのジュビロ対Fマリノスの中継を見ていた。
我が静岡のジュビロが優勝だ、と思ったのにロスタイムのまさかの逆転負け。
間違いなく手にしたと思われた"優勝"がこぼれ落ちた。
思わずドーハの悲劇を思い出した。あの時の対戦相手は奇しくもイラクだったんだよな。
一気に気合が抜けてしまった。このショックはしばらく尾を引きそうだ。


↓これで安定して車内でコンロが使えるようになった。

オープンセール 2003,11,28
目が覚めると真っ暗だ。時計を見ると午前5時15分。なんだ、もう一度寝よう。
そして午前7時。アラームで目が覚めた。

朝食を食べ、身支度を整えて車庫に下り、出発したのは午前8時8分。
これから今日オープンする富士の家電量販店に向かった。
8時を過ぎているので通勤ラッシュは終わっている。それでも交通料は多め。
そして50分ほどで目的地付近に到着。なぜか渋滞している。もしかして…。

思ったとおり店の駐車場は満車。臨時駐車場に行くよう促される。
しかし数箇所の臨時駐車場も全て満車。おいおい、これじゃ店にも行けないじゃないか。
と思ったら何か紙を渡された。もうひとつ臨時駐車場があるみたいだ。
よく見ると富士川河川敷の緑地公園。たしかにあそこならキャパは相当あるな。

案内板に従って堤防を越えると…うぎゃあーっ、何これ!おびただしい数の車。
ちょうど小学校のマラソン大会が行われていて、父兄がたくさん詰め掛けていた。
それに今日のオープンが重なって、はるか向こうまで車でいっぱい。
幸い一番奥の方に何とか止められた。

ここからは無料のシャトルバス。買い物でシャトルバスなんて初めてだよ。
しかしこれだけ来ているとなると、とても日替わり商品なんて変えそうもないな。
まあせっかく来たんだし、行ってみるか。

バスに乗り込み開店20分前くらいに店に到着。正面に回りこむと思わず目を疑った。
すでに1000人以上は居るんじゃないだろうか。とりあえず行列の最後尾に着いた。
しばらくすると、日替わり商品の整理券は配布が終了したとの案内があった。
それじゃ待っていてもしかたないな。このぶんじゃ1時間待っても店に入れそうもない。
先頭の人は昨日からの徹夜組らしい。みんな銀マット類を持っている。
整理券をもらえた人は7時前に並んだ人みたいだ。
店に入るのも数時間かかりそうだし諦めよう。

天気もいいので河川敷まで歩いていった。
そして帰りに沼津のホームセンターに寄りファンヒーターを買ってきた。

家に戻り昼食を食べた後、しばらく休んでから近所の床屋に行った。
店は混んでいて、40分くらい待った。そして4時過ぎ、さっぱりして家に戻った。

さて水戸黄門を見ようかな。と思ったら妹と甥っ子がマックバリューに行きたいという。
まあいいや、車のテレビで見よう。

買い物から帰ってきてファンヒーターをつけてみると、すごく静かだ。
昔に比べ動作も早く、消した時にも臭いが少ない。それに値段も安い。
これでこの冬は快適に過ごせそうだ。

旅の後片付け 2003,11,27
今日であの事故から1年が経過した。長いようで短い1年だったな。

目が覚めるともう8時。やっぱり疲れていたのかな。
朝食を食べた後は後片付け開始。まずは車だ。
その前に歯医者を予約しないと。北海道で詰め物が取れてからそのままだった。
今日の2時半に予約が取れた。

塩漬けになり、すっかり水を弾かなくなってしまったので全体をワックス掛け。
そして車内はマットを外して掃除機掛け。そして内装を水拭きした。
要らない荷物は外に出し、ゴミを処分した。これですっきり。
でも意外に時間がかかり、気がつくともう12時だ。

弁当を買いに行って昼食を食べた後、ナンバーカバーを買いに行った。
昨日はフロントナンバーカバーを取り付けようとして割ってしまった。
字光式非対応のカバーを無理やり取り付けようとしたら、字光式は縁が高いのでちょっと歪む。
それを無理にネジを締めたために割れてしまったのだ。
ナンバーとカバーの間にワッシャーを入れれば問題は無さそうだ。

家に戻り、カバーの干渉する部分をグラインダーでカットして
ワッシャーを2枚入れて取り付けたらうまくいった。

そして2時15分ころ近所の歯医者に行った。診察室に入ったのは3時過ぎ。
取れた詰め物はもう使えずその歯が悪くなっていたようなので治療開始。
何か大きな注射器のような物で、歯(歯肉?)に何か刺さったのがわかった。
うーっ、痛い。いったい何をしてるんだ。そしていつまで続くんだ。

ほんの数分のことだったのだが、それが永遠に感じられた。ふーっ。、これで終わりか?
と思ったら今度はリュ−ターで歯を削り始めた。
痛みは無いのだが、アノ音を聞くと緊張感が最高潮に達する。
なんどやっても歯の治療は好きになれないよ。

治療を終え、100円ショップに行ってスタンプ用の帳面を探すが売っていない。
たしか秋田のダイソーには売ってたんだけどな。もっと買っておけばよかった。
明日沼津のダイソーに行って探してみよう。

その後元同僚ののりさんに買い物を頼まれたので会いにいった。5月以来だらか半年ぶりだ。
明日富士に大型の家電チェーン店がオープンするので、
日替わりの家電製品を買ってきてもらいたいという。
まあ暇だからいいけど買えるかな。

家に戻りHPのアップ開始。中国の旅日記をまとめるのが延び延びになっていたからな。
これも意外に時間がかかる。2回ほどPC不安定になり作業中断。
9時前には何とかアップし終わった。

なんだか風が出てきたな。季節外れの台風の影響かな。まだちょっと遠いかな。
今日は早めに寝よう。

やっと帰還 2003,11,26
目が覚めると今日も6時半前。外はいい天気だ。
周囲を見渡すと、僕と同じようにここに泊まった車が5・6台はいた。

コーヒーを飲みながらゆっくり準備開始。
ここまで来たらもう家は近い。別に急ぐ理由も無いな。
そして7時50分、道の駅を出た。

岡谷辺りまでは順調に走ることができたが、諏訪に入ると渋滞気味。
そうか、通勤時間帯だったな。もうちょっとゆっくりしていてもよかったか。
市街地を過ぎても所々工事で片側交互通行になっていてペースが上がらない。
ひたすら甲州街道を南下して、一宮町からはR137に乗り御坂トンネルを越えて河口湖に出た。

久しぶりに見る富士山だ。この前より雪が増えたような気がするな。
つい数日前に出発したような気がするけどもう1ヶ月経ったんだよな。
季節は確実に進んでいるんだな。

河口湖大橋を迂回してR138に出て籠坂峠を越えて御殿場に入った。
ここまで来ればもう帰ってきたのと同然。ちょっと買い物をしていくか。
オイルは家にあるから処理箱とオイルエレメント、それにナンバーカバー。
そして12時過ぎ、無事家に到着した。
これで28日間に渡った今回の旅は終わった。

しかしこれからまだ忙しい。
まずはルーフトランクを外す。これが付いていると車庫に入れない。
それからタイヤ交換。こっちでは雪なんか降るのは年に数回だけ。
そしてエンジンが冷えたのでオイル&エレメント交換。
それが終わると今度は洗車だ。日本海ではたっぷりと潮を浴びたからな。
つや消しになっていたボディーを念入りに洗車して愛車は輝きを取り戻した。

しばらく試運転して家に戻り荷物の整理。これは今日中には終わりそうもない。

その後、久しぶりにパソコンを立ち上げHPのアップ。
今日は久しぶりに布団で寝られるな。


本日の走行距離:176キロ 出発からのトータル9,196キロ
使用した燃料:840.75リットル 金額:88,517円 燃費:10.94Km/リットル
温泉入浴料:27箇所 11,430円 (これは意外にかかったな)
フェリー運賃:20,200円 駐車料金:950円 自販機で買った飲料:4,020円
宿泊費:2泊 10,290円 通行料金:1,000円(関越トンネル)

以上でした。

最後の夜 2003,11,25
目が覚めて時計を見ると7時。あれっ、今日はちょっと遅いな。
昨日は寝るのが早すぎて夜中に何度か起きたからかな。
外は雨模様。今日は1日天気が良くないようだ。

特に急ぐ必要もないのでコーヒーを湧かしてゆっくり準備。
道の駅を出たのは8時過ぎだった。

スプレー式の溌水剤を塗ったので視界は快適。スプレー式でも以外に効果があるもんだな。
今日からはツーリングマップルは関東甲信越版に替わった。
まずはR117を西進、土狩温泉から県道95号を北上しようとしたらまたしても通行止め。
少し下って県道411号も通行止め。ダメだこりゃ。細い峠越えは軒並み通れない。

さすがにR292は通れたので北上。R18に乗りR8に出た。
そして海岸線沿いに進んでいく。今日は風向きが南風なので波が静かだ。

糸魚川からはR148に入ると電光掲示板に"事故全面通行止"の表示。
しかし迂回路がないので強引に突入。止まったら止まったで待てばいいや。
しばらく走ると渋滞の最後尾に付いた。あーあ、やっぱりか。
対向車も全然来ないところをみると、この先が事故現場かな。

ところが数分すると対向車が続々と走ってきた。それに全然途切れない。
そのうちパトカーも来た。おっ、開通したようだな。
するとこっちの車線も動きだした。やれやれ、すぐに動き出してよかったよ。

その先工事で走りにくい所もあったが特に通行に障害はなかった。
そして松本からはR158に乗り上高地方面に向かった。
去年米原で出会ったT君が白骨温泉の旅館でバイトしているので
ちょうど近くだし、久しぶりに会ってみようと思った。

しかし稲核ダム付近で連絡があり、T君は松本に向かっているという。
ありゃーっ、どこかですれ違っちゃったな。せっかく来たのになあ。
今日から旅館は3連休なので、T君は東京に行くという。
でも会いたいな。久しぶりだからな。

すぐにUターンしようかとも思ったが、
新宿行きのバスは夜の8時まであることがわかったので、T君は松本で待つという。
とりあえず僕は白骨温泉に行きたかった。

そのまま車を進め、白骨温泉に到着した。
車を止め、露天風呂に行こうとしたら営業は25日までと書いてある。
あらーっ、3連休で終りだったか。ここも冬季の休業になるのか。

しかしなぜか営業中の看板が掛かっていて、下から人が登ってくる。
どう見ても温泉から上がってきた、という雰囲気だ。
とりあえず僕もタオルを持って階段を下っていった。

窓口が開いていたので入浴券を買おうとすると、今日は無料だと言う。
訳を聞くと、営業は昨日で終了。今日と明日は感謝デーということで無料とのこと。
おおーっ、ラッキーだ。窓口のおばちゃんにも「いい時に来たね」と言われた。

以前にも白骨温泉に来たこともあったが、その時はどこかのホテルの露天風呂だった。
それに比べ、こっちの方がワイルドで秘境ムードもある。
すぐ近くに滝もあり、豪快な音が響いている。んんーっ、いい感じだ。
体も温まったので松本に戻ることにした。

4時40分、待ち合わせ場所の松本駅に近付いてきた。
駅を少し外れた所に車を止めて待っていると、懐かしい顔が近付いてきた。
「おおっ、久しぶり」九ヶ月ぶりの再会だ。
しばらくは車の中で再会を喜び懐かしい話しをしていた。
ビギンの島唄を聞いていると、一緒に過ごした米原が目に浮かんできた。

有料駐車場に車を移動し、しばらく街を散策した後、夕食を食べることにした。
その前にT君は7時半の新宿行きのバスの切符を買った。

外食なんて久しぶりのような気がするな。僕はラーメンと餃子を食べた。
そして食べ終わって支払いをしようとすると、T君が「僕が払います」
「これで借りはちゃらですね」 
でも僕が貸したのはちゅら海水族館の入場料1800円だったけどな。
まああの時は返ってくるとは思わなかったからな。覚えてただけいいか。

車に戻り、想い出の曲"かりゆしの夜"を何度も聞いた。
そして7時15分、車を降りT君はバス停に向かって歩いていった。
今度はいつ会えるかな。

さて僕は温泉に行くか。
近くに浅間温泉があるので向かってみた。
道路は渋滞気味だったが20分ほどで温泉街に到着。日帰りで入れる温泉はどこかな。
しばらく探索しているとクアハウスのような"温泉会館"があったが今日は休館みたいだ。
3連休後の火曜日だからな。多分そんな気はしていたけど。

でもこんな古い温泉街じゃ共同湯があるはずだ。
しかしこのあたりの旅館は、"○○の湯"という名前が多く紛らわしい。
しばらく探し回った後、公衆浴場を発見。やれやれ、やっと見つかった。
近くの路上には車がいっぱいだったが隙間に何とか止められた。

入浴料は250円。さて入ろうか、と思ったらシャンプーとソープのセットが無い。
あれっ、また忘れてきたか。これで3回目だよ。それに前のは1回しか使ってないのに。
仕方ないので番台でシャンプーを200円で買った。
石鹸は前に使わなかったのが入っていたので助かった。

いかにも共同湯、という感じのこじんまりとした浴室。
洗い場は4つ。湯舟は5・6人入れる程度。温度も適当ですっかり温まった。

温泉を後にし、松本の街を通過して塩尻インター近くの道の駅小坂田公園に到着。
今日はここまでにしよう。明日はいよいよ静岡だな。車中泊もこれが最後か。
10日くらいの予定が随分延びてしまったな。


本日の走行距離:340キロ  トータル9,020キロ

家がなかなか近付かない 2003,11,24
6時半、目が覚めると辺りが真っ白。んんっ、なんだ?
どうやら朝霧のようだ。この辺は盆地なのかな。幻想的な風景だ。

8時前、そろそろ出発しようかな。と思ったら出口に"日本一の巨木"の看板。
えっ、本当にこんな所に日本一の巨木が巨木があるの?
まあ近いからちょっと見てみるか。

道の駅を出てすぐに左折。急な坂を登っていくと駐車場があった。
"将軍杉30メートル"と書かれていたが、実際には5・60メートルはあった。
30メートルというのは入口までの距離だ。

鎮守の森のような所に入っていくと、思わず目を疑った。
うぉっ、なんだあれっ、。巨大な根元から7本の幹が枝分かれしている。
そのうちの1本でも十分巨木なのに、いったい何なんだこれっ。
屋久島の縄文杉もかなり強い印象を受けたがこれもまた凄い。
確かに日本一と言えないことはない。ヤマタのオロチみたいな杉だ。
しかしあまりメジャーになっていないのはなぜだろうか。

まだ8時前なのに何人かの観光客が来ていた。
が、車を良く見ると昨日から道の駅に止まっていた車だ。
僕と同じように車で旅している人がいるんだなあ。
一人は60過ぎの男性、後はやはり60くらいの夫婦だった。

将軍杉を後にしてR49に乗り東進、そしてR290を南下する。
そしてR289に入り、福島県側に行けるかな、と思ったが地図の通り未開通。
大谷ダムの先で大きな看板に行く手を阻まれた。開通まで10年はかかりそうだ。

仕方なくUターンして来た道を戻る。
途中"秘境の温泉"の看板に吸い寄せられて行って見たが…。
これが秘境かなあ。けっこう高級な旅館みたいだよ。建物は古そうだけど。

狭く急なカーブのSSを走っていく。雲一つなく最高の晴天。
こんな天気の時はどこを走っていても楽しい。
そんな道をしばらく走って栃尾市に入りR290に出て南下していく。そしてR252をさらに南下。
ここまで来たら奥只見シルバーラインを走らないわけにはいかないだろう。

ダム建設のために作られた全長22キロの道路のうち18キロがトンネル。
こんなに楽しい道は他にないんじゃないかと僕は思う。
狭く圧迫感のあるところがまたいい。そんなトンネルを時速80キロで駆け抜ける。

前に遅い車がいたのでぴったり後についていると、シェッドの中でいきなり急ブレーキ。
おーっ、ぶつかるー。僕も急ブレーキをかけるが間に合いそうもない。
ハンドルを右に切って対向車線に出て何とかかわした。ああっ、ABS付きでよかったあ。
道路工事の片側通行の信号が赤だったのだか何でこんな所に信号を置くかな。
カーブの立ち上がりにいきなり信号があっても止まれないよ。

トンネルを抜けると目の前がパッと明るくなった。雪だ。雪が積もってるよ。
そういえばこんな時期に来たのは初めてだったな。

駐車場でまったりしているとスピーカーでアナウンスが入った。
観光船やモノレールの運航はすでに終了しているが、
電力PR館は今日までという。今日までと言われると行ってみたくなる。

階段の近くに車を止め、早足で登っていく。
電極館まで10分ほどだがノンストップで登ったので息が切れる。
中にはダムに関する資料が展示されていたが、ダム建設のビデオは目を引いた。
まるでNHKのプロジェクトXを見ているようだった。

帰りはずっと下り。来た時みたいには飛ばせない。
シルバーラインを後にしてR352からR291に乗り南下。
美佐島からR253に入りトンネルを抜けひたすら西進、松代町の道の駅に停車。
ツーリングマップルを見ていると近くに温泉があるな。
それも日本三大名湯とある。それじゃ素通りするわけにはいかない。

池尻からR353を南下して松之山温泉郷に到着。とりあえず車で下見する。
温泉街にいくつかの外湯と、郊外にクアハウス的な施設もある。
でもやっぱりこういう湯治場では温泉街のほうがいいな。

町営鷹の湯の駐車場は満車。温泉街入口の駐車場まで戻った。
そこもほぼ満車。1箇所狭いが何とか止められそうな所があった。
そこに前の普通車が止めようとしたが狭すぎて断念。
へへっ、こっちは軽だ。これくらいなら余裕で止められるよ。
何とかドアも開くしOKだ。でも混んでるから少し待っていよう。

40分くらいして目が覚めるとだいぶ車が少なくなっていた。
さてそろそろ行こうか。車を降りて温泉街を歩いて町営温泉まで行った。
入浴料は400円。ここはホウサンの含有量は日本一だという。
小さいが露天風呂もありなかなか趣があった。
パンフレットを見ると、草津・有馬とともに日本三大薬湯らしい。
なるほど、よくわからないがよく温まった。

薄暗くなった温泉街を歩いて駐車場に向かった。
派手さがまるでない静かな温泉街。こういうのもいいなあ。

松之湯温泉から南下してR405で峠を越えようとしたら冬の通行止め。
仕方なく来た道を戻りR353に出て南下、R117に出た。
そして信濃川沿いに西進。道の駅信越さかえに到着。
もう暗くなったから景色も見えないしな。ここまでにしよう。

まだ走れば走れないことないんだけど。家がなかなか近付かないな。
もしかしたら帰りたくないのかもな。


本日の走行距離:305キロ  トータル8,680キロ

山が越せない 2003,11,23
昨夜までの雨と風がすっかり止んだ。静かな朝だ。
今日も6時半前に目が覚めた。そしてゆっくり出発の準備。

8時前、道の駅を出てR7を南下。
新発田市内に入り、加治川にかかる橋の近くで友達に頼まれた写真を撮った。
そして県道14号を南下、R49に乗り東進し、R400を南下する。
狭い山岳部の道をひたすら走っていく。

昭和村佐倉からはR401を南下し、途中何箇所かの温泉を物色。
毎日窮屈な車の中で寝ていると、広い温泉に入って体を伸ばしたくなる。
赤っぽいお湯という古町温泉、赤岩荘の寄ってみた。

ツーリングマップルには300円となっていたが、実際には310円だった。
村営のこじんまりとした建物で、大広間は地元の人の交流の場になっていた。

ここは内湯と露天風呂とは別になっていて、裸では移動できない。
もちろん僕は露天風呂に入ることにした。

お湯はオレンジ色、鉄分を含んでいるようだ。
温度はちょっと高め。味はしょっぱく、やっぱり鉄の匂いがした。
3つある湯舟のうち、一番大きい湯舟だけしかお湯が入っていなかった。
気温が下がってきているので、温度を維持するボイラーが追いつかないのだろうか。

空を見上げると、トンビが大きく輪を描いている。
雲が少しづつ薄くなり、青空も見え始めた。
すっかりリフレッシュしたのでまた走りだす。

ラジオを聞いていると通常番組が途切れて臨時ニュースが入った。
地震か何かあったのかと思ったら、新潟を本拠地とするサッカーJ2のチームが
先取点を取ったとのニュースだった。おいおい、こんなんで番組を切るかよ。
でも地元じゃそれほど期待が大きいのかな。今日勝てばJ1昇格だからな。

そんまま南下を続け、R352で奥只見湖に抜けようとしたら何と通行止めの電光表示。
すでに冬の通行止めに入ってしまったようだ。
まいったなあ。ここまで入って来ちゃったもんな。もっと早くわかっていたらなあ。

どうしようか。山が越せないんじゃ宇都宮方面に行くか、戻るしかない。
ここが通れないんじゃ田子倉湖にも行けないだろう。
僕は宇都宮方面はあまり好きではない。それなら戻った方がいい。

仕方ないのでR352を東進、R121・400重複区間を北上。
R121・289を東進、今度はR121・118を北上し会津若松市内に入った。
それにしてもこの辺りは国道の重複区間が多いな。
というよりほとんど重複しているじゃないか。なぜだろう。

だいぶ暗くなってきたのでそろそろ温泉に行きたいな。
ツーリングマップルを見るとR49付近にいくつか温泉があるが、みんな高いなあ。
良く見るとちょっと遠いけど高サト村に500円のクアハウスがある。
眺めも良さそうなのでそこにしよう。

でも地図では道から離れてるな。どうやってアクセスすればいいんだろう。
まあ近くまで行けば何とかなるだろう。カーナビもあるし。

国道から脇道に入り、適当に走っていると案内表示があった。
その先の交差点では思った方向とは逆の表示。んんっ、ホントにこっちでいいのかなあ。
とりあえず従ってみるか。その先はカーナビにも出ていない道になった。
そして坂を延々と登っていくと、ふれあいランド高郷にたどりついた。

うわっ、車がいっぱいだ。ずいぶん来ているなあ。ほとんどは地元のナンバーだ。
受付で1000円を渡すとお釣が700円来た。あれっ、500円じゃなかったかな。
料金表を良く見ると、5時以降は夜間料金で割引になっていた。おおっ、ラッキー。

大広間には人がいっぱい。隙間が全く無いほどだ。
みんな持ちこんだ飲み物や食べ物を食べてまったりしている。
そのほとんどは家族連れ。こういう楽しみ方もあるんだな。
最近はずっと平日に温泉に入っていたからこんな混雑は久しぶりに見たよ。

しかし浴室は想像したほどほどは混んでいなかった。
大相撲の千秋楽の結びが近付いているせいだろうか。
みんな上がってしまったか、優勝が決まるまでテレビを見ているんだろう。
鬼の居ぬ間に…ではないが、まあゆったりとお湯に浸かっていられた。
露天風呂で空を見上げると満天の星空。こんなの久しぶりだな。

温泉を後にし、再びR49に乗って西進。
コンビニに寄って食料を調達した後、道の駅みかわに到着。
なかなか静かで良さそうだがこれで道の駅?道路を挟んでトイレがあるなんて。
それに道の駅の方はそば屋にしか見えないし。
そいえば朝方寄った道の駅胎内はホテルだったな。あれには驚いた。
国土交通省は指定を乱発し過ぎじゃないか。それとも基準を緩和したのかな。
まあ僕はトイレと水道とスタンプがあればそれでいいんだけど。

ここはほとんどテレビが映らないけどまあいいか。
次の道の駅阿賀の里は舟下りの起点だったからな。
あれじゃ賑やか過ぎる。今日はここにしよう。

なんだか全然進んでないなあ。そろそろ帰らないとな。


本日の走行距離:414キロ  トータル8,375キロ

日本海の冬 2003,11,22
昨夜からの強風は、朝になってますます強くなった。
吹きつけた波しぶきで、風下側の窓は真っ白になってしまった。
夜通し車が揺れていたような気がする。

今朝も目が覚めると6時半。ゆっくりと準備開始。
そういえば近くに温海温泉があったな。ちょっと行ってみようか。
たまには朝風呂もいいな。8時前に道の駅を出発した。

R7を北上して県道44号方向に右折。数分で温海温泉郷に入った。
こういう古くからの温泉郷には共同湯があるはずだ。周辺を探索する。

多分少し離れた所にあるんじゃないかな、と思って脇道に入ると見事に発見。
外来者は200円と書いてあったので、さっそくタオルを持って向かった。
が、掲示板には"時間厳守 午後2時から10時まで"の張り紙が。
あらーっ、残念。

諦めて先に進もう。内陸部のR345に出て北上、湯田川温泉郷を発見。

今度こそ、と思って外湯を探すとすぐに見つかった。
しかし掃除中立て札。中に入って聞いてみるが言葉が通じない。
掃除をしていたおじいちゃんは方言バリバリでほとんどわからなかった。
でも10時半、というのは何とか聞き取れた。多分それまでダメだということだろう。
んんーっ、まだ早すぎるのかな。

寒河江が近いので友達の所に寄ろうと思ったら感染症で熱があるという。
こりゃ接触しない方がいいな。とりあえず月山に行ってみよう。

というわけでR112に乗って南下していくと、だんだん雪が強くなってきた。
そして路面は圧雪状態になった。うーん、これは楽しい。
でもトンネルを越えてしばらく走ると雪が雨に変わってしまった。

寒河江の街に入り、ダイソーの場所を教えてもらって買い物をした。
そしてホームセンターを見つけたので歯磨きと洗顔フォームを買った。

さて戻ろうか、と思ったが、来た道を戻るのでは能が無い。
ツーリングマップルを見ると山奥に柳川温泉があるな。それに200円で安い。
川沿いの田園地帯の道を走っていく。
そして左手に温泉の建物が見えてきた。

さっそく駐車場に車を止めて中に入ると料金は300円だった。
値上がりしたのかな。まあいいや、やっと温泉に入れるよ。
浴室はそれほど広くないが、露天風呂はすごく広くて景色は最高。
一部は屋根もあるので雨が降っていても大丈夫だ。

すっかり温まってすっきりした。
地図を見るとこのまま進めば月山湖の脇に出るな。
でも来る時"17キロ先11月21日から全面通行止め"の看板が出ていたな。
でももしかしたら通れるかも、と思って強行突入。
が、あえなくゲートに行く手を阻まれた。
仕方ない、戻るか。

途中の峠越えの林道も通行止めだったので、結局左沢まで戻るはめになった。
そして来た道を戻って鶴岡を通り日本海に出た。
朝より風も波も激しくなっていた。

そして日本海沿いに南下していく。豪快な日本海の荒波だ。
打ち寄せる波は波消しブロックで砕け、空高く跳ね上がっている。
そしてそのしぶきが道路まで飛んでくる。波の華も舞っている。
すぐにフロントガラスが真っ白になる。これが日本海の冬なのかな。

だんだん辺りが暗くなり、村上市に入った。
おっ、瀬波温泉が近くにあるな。行ってみよう。

しばらく温泉街を行ったり来たりして、日帰り温泉の"龍泉"を見つけた。
高級な旅館のような構えで、料金も840円でちょっと高め。
でも内湯も広く、露天風呂も3つもあって大満足。
お湯もぬるめでゆったりと浸かっていられる。
時折降るアラレも、吹き続ける強風もまた格別に感じられた。

温泉を後にしてコンビニを探して食料を調達。
スピードくじを引くとプリンが当たった。ラッキー。

そして道の駅神林に到着。今日はここで泊ろう。
静岡がだいぶ近付いてきたな。


本日の走行距離:347キロ  トータル7,961キロ

雨の一日 2003,11,21
目が覚めると外は雨模様。夜中にけっこう降ったようだ。

雨は降ったり止んだり。止むのを見計らってトイレに行ったり水を補給したりした。
そしてコーヒーを飲みながらパンを食べた。

さて今日はどうしよう。天気も良くないしな。ちょっと近くを回ってみよう。
7時45分、道の駅を出発。最上川沿いに西に走っていく。
そしてR345に乗り北上、R7と合流し、鳥海ブルーラインに行こうとしたら通行止め。
なんだ、ここもか。とりあえず近くのパーキングに車を止め検討。
それじゃもう少し北上して仁賀保高原に行ってみよう。湿原もあるみたいだし。

再び秋田県に入り、象潟から東進していく。
しかし標高が高くなるにつれ霧が出てきた。そのうち視界は10メートル程度に。
おいおい、これじゃ霧以外なんにも見えないよ。

何も見えないんじゃしょうがない。途中から北上し仁賀保高原キャンプ場の脇を通過。
県道296に入ろうとしたらダートで通行止め。
少し戻って県道285に入って北上、R108に入って本庄市街を目指した。
本庄ならコインランドリーもあるだろう。
この前釜石で洗濯したとき、別にしておいた下着はすっかり洗い忘れていた。

本庄の市街地を行ったり来たり。あまり狭い道には無さそうだ。
ちょっと広めの道に出て走っていると国道105号との交差点に来た。
国道に乗ってしまうとダメだな。その信号を左折、するとすぐ先にコインランドリーがあった。
よしよし、やっと見つかった。さっそく洗濯を開始。

そして1時間ほどで終了。今度は海岸沿いのR7を南下。
道の駅ごとにスタンプを集めていく。スタンプラリーはすでに終っているけれど
何か目標を持って走るとけっこう楽しい。

酒田まで下って今度はR344を東進。真室川駅の所から県道35号を南下。
R458の交差点から県道315号を西進し羽根沢温泉に向かった。
そこは数軒の旅館やホテルが立ち並ぶ温泉郷。
でもさびれているようでちょっと寂しかった。それも良さかもしれないけど。

温泉に入るのは止めて南下してR47に出た。朝通った道だな。
そのころから雨が強烈になってきた。窓に塗った溌水剤が完全にはがれてしまったので、
常にワイパーを動かしていないと視界を確保できない。

しばらく走った後R345に乗り鶴岡市内に入った。そろそろ食料を確保しないとな。
しかしコンビニが無い。何で国道沿いにコンビニが無いの?
おかしな街だな。ついに街外れまで来てしまったので脇道に入った。
するとやっとコンビニ発見。とりあえず食料は確保できた。

暗くなってきたのでそろそろ温泉に行こう。
ツーリングマップルを見ると"立岩海底温泉"があった。
他にも近くにいくつかの温泉があったが、この"海底"に引かれてそこに決めた。

そのままR345を南下し鬼坂トンネルの先を右折。
細く見通しの悪い道だがSSみたいでなかなか楽しい。
あっという間にR7に出た。そして海岸沿いに南下。

しばらくして立岩海底温泉を発見、さっそく入浴セットを持って…
と思ったがシャンプーとボディーソープのセットが無い。あれっ、おかしいなあ。
あっ、そうだ、昨日の若あゆ温泉だ。1つ上のロッカーに入れて忘れてきたんだ。
まあいいや、とりあえず受付に行くと石鹸とシャンプーを売っていたので1回分買った。

お湯は海底1500メートルからくみ上げているという無色透明なお湯。
浴室はそれほど大きくなかったが、海に面している窓が大きく
天気がよかったら最高の夕陽が見られるんだろうな。

温泉から上がって再びR7を南下。道の駅あつみにたどり着いた。
この先しばらく道の駅はないから今日はここまでにしよう。
雨も風も強くなってきたな。明日は雪かな。


本日の走行距離:366キロ  トータル7,614キロ

秘境の温泉を目指して 2003,11,20
今朝も6時過ぎに目が覚めた。パンとコーヒーで朝食だ。
そしてシートを元に戻し7時45分に道の駅を出発した。

最初日本海に出ようとも思ったが、特に目的も無い。
それじゃ秘境の温泉に行ってみよう。友達に教えてもらって川原毛大滝湯がいいな。

というわけでR13を南下、それからR398に入り田園地帯を走っていく。
皆瀬村にはいり川沿いに走る。そして小安地区から県道51号に入ろうとしたら通行止め。
どうやら冬の通行止めらしい。まいったなあ。ここが通れないんじゃ遥か遠回りしなきゃならないよ。

通行止めは簡単なバリケードだけ。右の方は車が通れるくらい開いている。
どうしようかなあ。と思っていると1台の車が強引に入っていった。
なんだ、通れるのかな。まあいいや、後に付いて行こう。

しばらく走っても特に通行に障害となるものは何も無かった。
強いて言えばガードロープのワイヤーが全て外されていたことくらいか。
積雪や雪崩で破損するのを防止するためなのだろうか。

当然だが車は全く来ない。晴天の下、美しい山岳部の道を独占して走る。
木地山の交差点まで来ると、こっちのほうは通行止めの看板だけ。
バリケードが無いに等しいので、ためらうことなく通行できる。

そこから泥湯方面に向かう。そしてまもなく泥湯温泉郷?に到着。
道路脇の山肌からはお湯や水蒸気が吹きだしている。
そして硫化水素の匂いがたちこめていた。温泉の雰囲気だ。
その先、いかにも古くからの湯治湯という感じの建物が並んでいる。まるで時代劇の中にいるよう。
しかしここも冬支度の真っ最中。すでに閉鎖された宿もあった。

そこを通過して九十九折れを登っていくと、峠でゲートに阻まれた。通行止めだ。
あーあ、やっぱりな。

窓を開けると硫化水素の匂いがする。いったいどこからだろう。
駐車場に車を止め、ゲートの方に歩いていくと、おおーっ、何だあれ。
まるで地獄絵のよう。木や草は1本も無く、真っ白で荒涼とした世界。
ここは日本の三大地獄という。
まあこれが見られただけでもいいかな。

ここからも川原毛大滝湯まで歩いて行けるようだがここからじゃ遠すぎる。
一度来た道を戻って県道に出て西進、三途川渓谷から南下しようとしたらまた通行止め。
今度はがっちりバリケードで封鎖されているので諦めるしかない。
北海道や東北は11月になると通行止めになってしまう道路が多い。

それじゃ他の秘境の温泉を探そう。
さっき行った泥湯の南側に湯の又温泉があるな。そこに行ってみよう。
泥湯からの峠は通れなかったから一度R13に出ないとダメだな。
まあいいや、急ぐ旅でもないし。

県道51でR13に出て南下、R108に入り秋の宮温泉郷まで来た。
脇道に入り、深い山の中に入っていく。
そして湯の又温泉に到着した。が入口が封鎖されていて車が入れない。
中が狭いから車止めをしているのかな。

路肩の広い所に車を止め、歩いて温泉の入口まで行ってみたら休業中。
ありゃーっ、またかい。秘境は遠いなあ。

再びツーリングマップルを見て検討。
このままR108を南下すると鬼首温泉郷がある。ちょっと行ってみよう。
トンネルを越えると宮城県に入り、坂を下ると鬼首温泉郷だ。
よく見ると間けつ泉もある。おもしろそうだ。

しかし行ってみると間けつ泉は有料。なんだ、有料なら見たくないや。
他の温泉も僕はあまり好きになれなかったのでそのまま通過。
うーん、ここもダメだ。それじゃどうしようかな。

三度ツーリングマップルを見て検討。今度ダメなら諦めよう。
そして目に止まったのが湯の倉温泉。徒歩20分というのがいい。
きっと車で行けない所にあるんだろうな。こういう所がいいんだよ。

鬼首山岳高原道路を通り県道249を北上、問題は鎌内林道だ。
これが通行止めだったら万事休す。数十キロも迂回しなければならない。
不安にかられながら北上していくが、林道の入口のゲートは開いていた。
ふーっ、これで一難去った。比較的フラットなダートでR398に出た。

そしてそこから南下。九十九折れをクリヤーすると温湯温泉の入口だ。
この奥が湯の倉温泉。幸いゲートは開いていたので進んでいく。
穴ボコだらけのひどい道。数キロ走ると橋が見えてきた。おっ、あれが入口だな。

しかし11月21日から4月28日まで冬季休業の看板。あれっ、今日は何日だったかな。
恐る恐る携帯を開くと11月20日。おおっ、ギリギリだ。今日までだよ。

さっそく車を広い所に止めて歩き始めた。
しかし道は険しく所々ぬかるんでいる。少し歩いただけで息が切れる。
早足で10分あまり登るとかなり高い峠に出た。おいおい、けっこう登ったぞ。
確か温泉は川原って書いてあったよな。すると今登っただけ下るのか。

予想通りそこからは急な下り坂。すでに汗をかいてしまった。
そこから10分ほどで2階建ての大きな木造の建物が見えてきた。
ふーっ、やっと着いたか。

門を通るとかわいい2匹の犬がお出迎え。そして入口まで案内してくれた。
玄関で声をかけるとおじさんが出てきて500円を払うと案内してくれた。
やはり今日が最後の営業日だという。

ここは宿もやっているのだが宿泊は11月4日までで終っていた。
階段の所にはランプが吊るされていた。んんっ、なんだ。
よく見ると電灯が無い。ここは電気が来ていないんだ。
そういえば道沿いにあった電柱は電電公社のマークが入っていたな。

露天風呂は脱衣所から20メートルほど離れている。
その間川原を歩いて行く。温泉は僕一人の貸し切りだった。
お湯はやや熱め。渓流をみながらゆったり。
熱くなると縁に上がって体を冷やした。

そんなことを何回か繰り返していると雲行きが怪しくなってきた。
もう十分温まったし雨が降る前に戻ろう。

温泉を後にし来た道を戻っていく。ここは本当に秘境の温泉だったな。
20分ほどで車に戻り、R398を南下して行った。
そしてR457からR47と乗り継いで西に向かった。

途中鳴子温泉にがあったので、ツーリングマップルを見ると東北の三大名湯という。
さらに滝の湯は天下の名湯と書いてある。それじゃ通過するわけにはいかない。
さっそく温泉の前に車を止め、中に入った。

料金は150円。でも現金で払っているのは僕だけ。
みんなチケットや温泉手形を持っている。宿泊客なのかな。
浴室は全て木でできていて、本当江戸時代ににタイムスリップしたようだ。
お湯は白濁して硫化水素臭がする。いかにも効きそうなお湯だ。

すっかり温まったので先に進む。
舟形街に入り、県道56号に乗って若あゆ温泉を目指す。
今日はすでに2つの温泉に入ったけど、どちらもお湯に浸かるだけ。
シャンプーや石鹸は使えなかったかな。

案内板に従って進むとすごく見通しのいい所に出た。
おおっ、最高のロケーションじゃないか。

受付に行くと料金は350円。えって、こんないい設備なのに350円?
テレビがあったので、水戸黄門を見てから浴室に向かった。
お湯は無色透明。露天風呂からは夕暮れの、遠くの山並が見渡せた。
ぜひまた訪れたい温泉の一つになった。

さてそろそろ泊るところを決めよう。
一番近い道の駅は…道の駅とざわだな。
途中ダイソーに寄りスタンプ用の帳面とパンフレットを入れるケースを買った。
そして道の駅とざわに到着。

明日は雨みたいだけど、朝の最上川を見ながら走ろう。


本日の走行距離211キロ  トータル7,248キロ

日本海へ 2003,11,19
午前4時過ぎ、目が覚めた。それから眠れなくなりうとうとしていた。
いつのまにか眠っていて。気がつくと6時半だった。

トイレに行き歯を磨いているとHDさんも起きてきた。
テントじゃやっぱり寒かったみたいだ。

HDさんは朝食を作った後テントを撤収、荷物を積みこんで8時半に道の駅を出た。
そして昨日自転車を止めた小本駅に到着。自転車は無事だった。
荷物を降ろしそこでHDさんと別れた。もうしばらく会うことは無いだろう。

僕はR455を内陸へと進んでいき、道の駅いわいずみ付近から県道40号に入った。
しばらくはのどかな川沿いの道だったが、峠が近付くと様相が一変。
車がすれ違いすらできないほどで、道は葉っぱがいっぱい。
バイクじゃ恐くて走れないよ。

所々小さな集落を通過していく。そして宮古市街に出た。
さすが"市"だけあって賑やかだ。でも路上駐車が多く走りにくい。
古くからの街は駐車場が整備されていないし道も細い。車じゃ却って不便だな。
街中を走り、コインランドリーを探すが見つからない。
まあいいや、次の町に行こう。

宮古からはR45を南下。釜石市内に入った。
NHKのラジオを聞いていると、どうも釜石からの放送らしい。
でもよく聞いていると生中継じゃなさそうだ。

先に進もう、と思ったらコインランドリー発見。すかさず駆け込んだ。
そして1時間ほどで洗濯を終えた。
R283を遠野に向けて走っていると、急に眠気を感じた。
ちょうどパーキングがあったので30分ほど休んだ。

目が覚めたので走りだした。
仙人トンネルを抜けると、何だコレ。金山かな。今は使われていないようだ。
遠野を通過しR107に乗り、北上市街まで来た。さすがに都会だ。

北上江釣子インター付近に温泉?発見。
Uターンして見に行くと、スーパー銭湯みたいだ。料金は600円。
建物もきれいだけどやっぱり温泉がいいや。先に進もう。
コンビニで弁当を買って、その先の道の駅錦秋湖で食べた。

今夜はここに泊ろうかな。でもここ、テレビが映らない。どうしようかな。
その前にとりあえず温泉に行こう。
ツーリングマップルを見ると、ほっとゆだ駅に温泉がある。そこにしよう。

ほっとゆだ駅の案内標識通りに進むと"湯"の暖簾(のれん)発見。
駅前に車を止めて行ってみた。入浴料は200円。
シャンプーや石鹸は無いとはいえ随分安いな。

湯舟は温度が違う2つがあったが、ぬるめの方もけっこう熱い。
あつめのお湯とほとんど温度が変わらなかった。
水で薄めたいところだったが地元の人が何人かいたので諦めた。
熱いお湯にがまんして浸かっていたのですぐに温まった。

さて今夜はどこに泊ろうか。
カーナビで検索していると、20キロほど先にも道の駅があるな。
あっちなら街が近いからテレビも映るだろう。よし、先に進もう。

すっかり暗くなったR107を快走。20分ほどで到着した。
テレビの映りはあまりよくないが、さっきみたいに全く映らないよりましだ。
今日はここで泊ろう。明日は日本海だな。


本日の走行距離:380キロ  トータル7,037キロ

温泉三昧 2003,11,18
最近はいつも6時半前に目が覚めるようになった。
今日もいつものようにコーヒーを飲みながら朝食。
そして7時45分道の駅を出発した。青空が広がりいい天気になりそうだ。

そのまま乳頭温泉に行ってしまうと早すぎるな。
途中田沢湖に寄り道。辰子の像の前に車を止めて休憩。
湖の回りを1周してから乳頭温泉に向かった。

昨日と違って路面に雪は無く難なく登れる。視界も良好。
途中から脇道に入ると、この先に本当に温泉があるの?って感じ。
でも逆にそれが秘境ムードを醸し出している。

そして10時前、鶴の湯温泉に到着。
おおーっ、ここがそうか。時代劇にでも出てきそうな歴史を感じる建物だ。
人はたくさんいるけど秘境ムードたっぷり。

10時になるのを待って受付に行った。
フロントはチェックアウトする人と日帰り入浴する人でごったがえしていた。
入浴料は400円。まずは内風呂に入った。
この湯舟も水戸黄門に出てくるような温泉。木でできた浴室に木の湯舟。
竹の先から水が出ている。4・5人が入れるほどの多き。もちろんシャワーなんて無い。
白濁して硫化水素の匂いがするいかにも温泉って感じのお湯だ。

ここでふやけてはいられない。やっぱり露天風呂だ。
脱衣場に行く途中、露天風呂の脇を通る。うーん、いい雰囲気だ。
意外に女性もけっこう入っている。もちろん水着なんて着ていない。
でもみんなカップルで来ているようだ。

ふーっ、やっぱり青空の下で入る露天風呂は最高だな。
お湯は底から湧いているらしく、時々ブクブクと泡が出てくる。
辺りは雪化粧し、木に積もった雪が解けて水滴となって落ちている。
上空には飛行機が、真っ白な尾を引きながら飛んでいくよ。
そんな風景を見ながら贅沢な時間がゆったりと流れていった。

本当にいい雰囲気なのだが気になるのがギャラリー。
ただ見にきて写真を撮っていくだけの人もいる。
中には料金を払わず、いや無料だと思っている人もいた。

すっかりいい気分になってお湯から上がった。
さて次は国見温泉に行ってみよう。

来た道を戻り、R46を東進。途中を左折して国見温泉方面に入った。
地図には冬季閉鎖となっていたが、ゲートは開放されていて、まだ閉鎖にはなっていないようだ。
ワインディングをしばらく登っていると、山小屋風の建物が見えてきた。
おっ、あれだな。でも近付いていくと何か変だ。窓が全て目張りされている。
道路は通れても温泉自体が閉鎖になってしまっていた。

車を止めて近くを散策してみたが、自噴の温泉がゴボゴボと音をたてて湧き出ていた。
とりあえず戻るしかないな。いつかまた来てみよう。

再びR46に戻り、雫石駅付近から岩手山方面に北上して網張温泉に向かう。
途中で玄武洞の看板を発見。鍾乳洞か?と思ったが石の壁だった。
興味が無いのですぐにUターン。網張方面に向かい休暇村に到着。
建物の脇を入ると「仙女の湯」の看板。

料金箱が設置されていたので100円を投入。
雪の積もっている歩道を歩いていくと、温泉が見えてきた。
滝が目の前にあり、渓流沿いにある温泉。
湯舟は2つ。温度も調整できるので雪景色を見ながらゆっくりと浸かった。

温泉を後にし、盛岡市街を通過しR106に乗った。
山田線沿いに走るのどかな道。宮古に着くとすでに真っ暗だ。
そしてR45を北上。小本に到着し小本温泉でまったり。

お湯に浸かっているとHDさんが来た。おーっ、びっくりした。
近くに来ていることはわかっていたのだが、電池切れで連絡がとれなくなっていた。
こんな所で会うとは。本当に驚いた。

僕は昼間入った温泉の硫黄の匂いを落とすため、三回くらい体をタオルで洗ったが
それでも完全には落ちなかった。体にしみ込んでいるのだろうか。

温泉を出て、HDさんと野宿できそうな場所を探索。
しかし適当な場所が無い。そこで車を駅の自転車置き場に置き、
荷物を僕の車に積んで、近くの道の駅に行くことにした。

そして道の駅たろう、に到着。
辺りを歩いてテントが張れそうな場所を探していると、いい所に東屋があった。
さっそくそこに荷物を持ちこみ夕食の準備。
僕は買ってあった弁当、HDさんはスパゲティーを作って食べた。

夏だったらあちこちで旅人に出会うんだけどな。さすがにこの時期じゃ。
缶チューハイを飲みながら10時ころまで話しをしていた。
そしてHDさんはテントに、僕は車に戻りシュラフに包まった。


本日の走行距離:343キロ  トータル6,657キロ

温泉が遠い 2003,11,17
6時半過ぎ、目が覚めると雨は上がっていた。しかし強い風。
ゆっくりとコーヒーを飲みながら準備。8時前道の駅を出た。

日本海沿いのR101を北上し、再び青森県に。そして脇道に入り十二湖へ向かった。
しばらく走ると右側に白い岩壁が見えてきた。おーっ、なかなか迫力がある。
地図を見ると"日本キャ二オン"とある。ちょっと名前負けする感じがするな。

さらに進むと湖が見えてきた。道沿いにいくつもの小さな湖が散在している。
日本の九塞溝、といえばかなりオーバーになるが、なかなか神秘的。
天気が良ければ歩いて回りたいところだ、
しかし観光地定番のスワンボートは似合わない、というより目ざわりだな。
全部で33個も湖があるというが、道路から見えるのは6・7湖くらいかな。

一度国道に戻り北上、白神ラインを通ろうと思ったがやっぱり冬の通行止め。
ここは40キロ以上のダートでおもしろそうだったのにな。残念。

仕方ないのでR101の戻り南下。来た道を戻る。再び秋田県に入り、ひた走る。
日本海の荒波は、はるか向こうから打ち寄せすごい迫力だ。

八竜町に入り、国道を外れ八郎潟の干拓地の中を走ってみた。
周囲は広大な田んぼが広がっていて、計画的に作られた道は走りやすい。
県道54号から再びR101に乗ると、ホントこれが国道?という感じの峡路。
所々すれ違いもできない所もある。

そして男鹿半島の先端の入道崎が近付いてきた。
入道崎では風が強く、とても歩いて先端まで行く気にはなれなかった。
さらに進む。アップダウンとカーブの連続するかなり楽しめるルートだ。
これがスタッドレスタイヤじゃなければな。

打ち寄せる大波が、海岸の岩で砕けてしぶきが跳ね上がっている。
それが泡となって道路上を舞っていた。日本海の冬の風物詩だ。
そんな道を延々と走り、三度R101に乗り、昭和町からはR285に入った。

標高が上がるに連れ、雨が雪に変わった。北海道とは違って湿ったボタ雪。
上小阿仁村ではアラレになった。
道の駅かみこあに付近からショートカットしR105に出た。

しばらく走り、トンネルを越えるとカーナビの調子が悪くなった。
自車のカーソルは点滅しているが、道路が表示されない。
今自分がどこにいるか全くわからなくなった。
カーナビに頼っていると、常に自分がどこにいるか意識することが疎かになる。
地図は自分がどこにいるかわからなければほとんど用をなさない。
しばらくして正確に表示されるようになりひと安心。

大覚野峠付近は雪、さらに南下し田沢湖の脇を通り、乳頭温泉郷へ。
水沢温泉付近からは一面の銀世界。雪も強くなりノーマルタイヤじゃ走れない。
コースアウトし林に突っ込んでいる車もいた。
そして秘境の鶴の湯温泉に行こうとしたが、日帰り入浴は15時まで。
時計を見るとすでに15時45分。んんーっ、遅かったか。
さらに奥の孫六温泉に行こうとしたが、雪が深くて車が入れない。
仕方ない、明日出直して来よう。期限の無い旅だからな。

来た道を戻りR341を南下。角館町に入りR105に乗りさらに南下。
途中から県道11に入り中里温泉を目指した。
しかしなかなか見つからない。何度か行き来してやっと入口を見つけた。
なんだよ。あんな小さな看板じゃ見逃しちゃうよ。
苦労してたどり着いたらなんと定休日。あがやぁ〜。温泉は遠いな。

まいったなあ。それじゃちょっと遠いけど角館温泉に行こうか。
そう思って西に向かって走っていると"柵の湯"の看板発見。
あれっ、他にも温泉があるのかな。それじゃそこに行ってみよう。

その看板の矢印の方に進んで行くが、それらしい建物は発見できない。
まったくこのあたりの案内標識は不親切だな。案内じゃなくて迷うわされるよ。
ツーリングマップルを見ると仙北温泉というのがあるな。もしかしてこれか?

カーナビを頼りに進むと新しくきれいな建物にたどりついた。おおーっ、これだな。
さっそくタオルと入浴セットを携えて中に入り、料金400円を払おうとしたら後払いという。
こんなのは初めてだな。もしかして時間制になっているのかな。

浴室に入ると大きな湯舟、露天風呂も大きかった。
お湯は無色透明で、源泉から直接供給されている。薄めていないという。
温度は高めですぐに温まった。ふーっ、いい気持ちだ。

温泉を出てR105に出て北上。道の駅なかせんに到着。
明日は乳頭温泉リベンジだ。今日はここに泊ろう。


本日の走行距離:416キロ  トータル6,314キロ

不老不死の湯 2003,11,16
夜中に猛烈な雨で目が覚めた。それにしてもすごい雨だ。
そのうち目を閉じていても目の前が真っ白になるような閃光。なんだ今のは。
そして地面をも揺るがすような轟音。雷だ。それもすぐ近くで鳴っているようだ。
僕の車に落ちないよう祈るばかりだった。

いつのまにか眠りにつき、目が覚めたのは6時半過ぎ。青空が広がっている。
とりあえず僕はコーヒーを飲みながら朝食を食べた。
そして昨日HDさんからもらった卵を茹でて茹で卵を作った。

そのうちHDさんも起きて撤収を始めた。
屋根の下にテントを張って正解だったようだ。
でも自転車は風で雨が吹きこんだようでサイドバッグが濡れてしまっていた。

撤収を見守りながら話しをしていると、何だか知っているような人が話題になった。
少しづつ記憶をたどり、特徴を1つづつ話していく。
自転車、スキンヘッド、カンパ、女の子を連れている。全て話しが一致する。

そのおっちゃんは僕が鹿児島から沖縄に渡る時出あい、
船の甲板で一緒に酒盛りをしたメンバーの一人だよ。うわーっ、驚いたなあ。
昨日も世間は狭いなあ、と思ったけど、また共通の知人がいたなんて。

そしてHDさんは荷物を積み終えた。
白鳥の写真を撮るために湖畔の駐車場に移動し、そこで別れた。
僕もしばらく東北にいるからまたどこかで会えるかもしれない。

さて、僕も出発しよう。前に教えてもらった不老不死温泉に行ってみよう。
ツーリングマップルを見ると津軽半島の中ほどだな。海岸沿いに進んでいく。

途中青森市街を通過。ああ、ねぶたの時跳ねた道だな。
また来年も来られたらいいなあ。

市街地を抜けると狭いながらも交通量の少ない道を北上していく。
そして蟹田を過ぎると雨風が強くなってきた。
しばらく走ると不老不死温泉の看板発見。やれやれ、やっと着いたようだな。

しかし、パンフレットで見た写真とだいぶ違うような気がするな。
他にもあるのかな、と思ってカーナビの温泉マークの所まで行ってみた。
しかしボロボロのプレハブのような建物があるが、そこに行く道がない。
どうやらここは源泉のようだな。やっぱりさっきのそうみたいだ。

よくみると平館不老不死温泉と書いてある。なぜわざわざ平館と書いてあるんだろう。
もしかして他にも不老不死温泉というのがあるのかな。
ツーリングマップルをよく見ると、黄金崎不老不死温泉というのもあった。
あれっ、あっちがそうだったかな。
でもこっちは津軽半島では一番古い温泉と書いてある。どうしようかなあ。
ええい、面倒だ。両方入っていこう。

車を止め300円を払って温泉に入った。無色透明なお湯だった。
ゆっくりとお湯に浸かり、すっかりいい気分になった。

それじゃもう一つの不老不死温泉に行こう。
蟹田まで戻り、やまなみラインに乗って峠を越えた。
そしてR339に乗り十三湖の南側を回り込み屏風山広域農道、別称米こめロードに出た。
ここまで来ると横風が恐ろしく強く、ハンドルを取られてまっすぐに走れないほど。
時々大粒の雨が落ちてきて、みぞれも混じっていた。

それにしてもこの道は快適だな。こんな道なら100キロ走っても楽しいよ。
あっという間に鯵ヶ沢町に出た。そしてR101に乗った。
しかしこの国道、しょっちゅう踏切があって走りにくい。その度にペースダウン。
それに大波が押し寄せているので窓がすぐ白くなってしまう。

そんな道を延々と走り、ようやく不老不死温泉の看板を見つけた。
そして脇道に入り、海岸に向かって下っていくと、大きな建物が。
あったあった、パンフレットの温泉だ。

駐車場に車を止めると海岸になにか塀で囲まれた物が見えた。
なんだろうあれ。もしかしてあれが露天風呂?
とりあえず建物の中に入ると券売機があったので入館券を600円で買った。
しかし今日は高波のため露天風呂は利用できない旨の貼り紙があった。
やっぱりあれが露天風呂だったのか。残念だなあ。

浴室は広く、お湯は黄色くしょっぱい熱めのお湯だった。
薄暗くなってきた波打ち際を見ながらゆったりとお湯に浸かった。
今日は2つの不老不死温泉に入ったからな。寿命が延びたかな。
それとも2つで相殺効果が出てしまうのか。

温泉を後にし、R101をひたすら南下。そして秋田県に入り道の駅はちもりに停車。
明日はちょっと戻って十二湖を見たいな。今日はここまでにしよう。


本日の走行距離:269キロ  トータル5,898

再会、世の中は狭いね 2003,11,15
13・14両日合計の走行距離1,119キロ。出発から5,410キロ。道内の走行は4,294キロ。
今までに給油した燃料の合計474.94リットル、50,026円。平均燃費11.39km/リットルでした。

朝6時半、目が覚めた。大間行きは9時半だからまだ余裕があるな。
ゆっくりと準備をしてパンを食べながらコーヒーを飲んだ。
そして8時半、窓口へ行き乗船手続き。予約はしていないが余裕で乗船券を買うことができた。

しばらくは駐車場で待機。しばらくして船が接岸し、車や人が次々に降りてきた。
そして9時10分乗船開始。これでしばらく北海道ともお別れだな。
車両甲板に誘導されると内部はガラガラ。閑散期はこんなもんかな。
そういえば13年ほど前、9月末ころに来た時もこんな感じだったな。
それから毎年夏に北海道に来ていたが、車両甲板に隙間があることはまず無かったな。

客室に入り、船尾の上階のラウンジに陣取った。といってもそこいるのは5・6人。
多分青森の人だろう、小さな子供が「んだんだ」と言っているのが印象的だった。
そしてだんだん小さくなっていく北海道を見守っていた。

北海道がだいぶ小さくなったなあ、と思ったころ大間港入港のアナウンスが入った。
そして車両甲板に下りると乗用車は10台ほど、トラックも5・6台だった。
ランプウェイが開き、車を発進させ本州に降り立った。

まずは恐山を目指す。途中林道の入口を見逃してしまった。
仕方ないので先に進み、大畑町から県道4号を登っていった。
途中薬研温泉の交差点にさしかかり、ツーリングマップルを見た。
その先に無料の温泉があるじゃないか。こりゃ行くしかない。

薬研温泉郷を抜け、さらに奥の奥薬研温泉を目指す。
しばらく走ると「かっぱの湯」の看板発見。ここは混浴の露天風呂だ。
さっそく見に行くと、若い女の子を含むグループが入っていた。
これじゃ入りにくいなあ。

駐車場に戻りしばらく待ったけど出てこない。
諦めてもう一つの露天風呂を探そう。
車を出してさらに進むとログハウス風の建物。川原付近から湯気が出ている。
もしかしてここかな。でもこんなにいい設備じゃ有料じゃないのかな。
車を降りてよく見ると、無料の看板があった。

さっそくタオルを持って温泉に向かった。
建物は食堂とお土産屋になっていて、その中を通って温泉に行く。
そして脱衣所にはいるとびっくり。これでタダ?
石造りの広い湯舟でお湯に浸かりながら川も見渡せる。
いい天気で最高に贅沢な気分。お湯はやや熱めなので15分ほどで上がった。

すっきりしていい気分になった。それじゃ恐山に行こう。
来た道を少し戻って山道を登っていく。
しばらくすると硫化水素の匂いがしてきた。おおっ、近付いてきたぞ。
白っぽい水が流れる川沿いに走り、湖畔に出た。
そしてT字路を右折。やっと到着だ。

と思ったが何だか様子がおかしい。駐車所には1台しか止まっていない。
いくら11月だといっても今日は土曜日だよ。こんなもんなのかなあ。
入口に近付くと門が閉まっている。よく見ると全て閉鎖されているじゃないか。
なんだ、ここは冬は閉山されてしまうのか。知らなかった。

仕方ないのでさっきの交差点まで戻った。
そして三途の川に架かる赤いアーチ状の橋を渡った。

恐山を後にし、むつ市からR279を南下していく。
途中道の駅横浜に寄ってみるとスタンプがあったのでとりあえず押しておいた。
そして太平洋側にでるために県道24号を走っていると原燃PRセンターがあった。
こういうのは僕は大好きだ。素通りできるはずはない。

駐車場には車は1台しか止まっていなかった。
さっそく見学開始。入場料はもちろん無料。
原発が安全であることをPRするのが目的だからな。

中は子供にもわかるように、イラストやモニターが多く使われゲーセンのようだ。
でも核廃棄物の処理装置は大掛かりに作られ、相当費用がかかったと思われる。
30分ほどで見学を終えたがけっこう楽しめた。
できれば本物の核関連施設を見学してみたいと思った。

日が沈んでしまう前に早く進もう。
先に本州に渡っていた友人は今日は小川原湖畔キャンプ場に行くという。
僕は先に到着したのでキャンプ場を探索。
しかしすでに閉鎖されていて、トイレも水道も使用できない。
たとえオープンしていても料金が2100円と恐ろしく高い。

ここはダメだ。友達と連絡を取ると、湖の反対側にもキャンプ場があるという。
んんっ、どこだ?僕のツーリングマップルには出てないぞ。
どうやら最近できたようだな。とりあえず行ってみよう。

キャンプ場が近付いてきたが、近くには温泉やコンビにもある。これは便利だ。
しかし問題はオープンしているかだ。

中央の入口から入り、湖畔に出ると駐車場があり近くにはトイレがあった。
でも閉まっていたら意味が無い。車を止めて確かめに行く。
電気は点灯していなかったがドアは開いている。
中に入ると水洗できれいだ。水もちゃんと出る。最悪ここでもいいな。

トイレを出る時ドアの上にブレーカー発見。
そのうちの漏電ブレーカーをONにしたら電気がついた。よしよし。
それじゃキャンプ場を見に行こう。湖畔沿いに南下する。

しばらく進むとキャンプ場の管理人室兼売店があった。
そこで聞いてみるとキャンプ場は開いていてトイレも使え、水も飲めると言う。
でもキャンプしている人は誰もおらず「きゃんぷするの?」と不思議そうに聞かれてしまった。
まあいいや、僕はどうせ車中泊だからトイレと水道さえ使えればいい。
友達に連絡を取って、僕は温泉に行くことにした。

上北町の駅を越えて住宅街を散策。
すぐに玉勝温泉を発見。でもここ銭湯みたいだ。他を探そう。
さらに先に進むと上北温泉「さくらの湯」があった。ここにしよう。

入浴料は260円。露天風呂は無く、やシャンプーなども置いて無いが安い。
中は銭湯みたいでお湯はやや熱め。でもすっかり温まった。

温泉を出てコンビニで弁当を買ってキャンプ場で友達の到着を待った。
1時間ほど待っても来ないので心配になって見に行った。
すると途中で荷物満載の自転車とすれ違った。おっ、HDさんだ。
しかし道が狭く、Uターンができない。ずっと先でやっと転回。
ちょうどコンビニの前で追いついた。

そこで少し買い物をしてキャンプ場に向かった。
最初芝生にテントを張ろうとしていたが、近くに屋根付きのステージを発見。
ここがいい、ここなら雨が降っても問題ないし、電源もある。
HDさんはそこにテントを張った。

そして久しぶりに缶チューハイとビールで乾杯。3回目の再会を祝った。
あのころは坊主頭だったのに、今はスポーツ刈りくらいに伸びていた。
HDさんは体育の教員免許を持っているので、これから英語の勉強をして
青年海外協力隊に応募するという。

話しをしているうちに、HDさんがお世話になっていたという苫小牧の知人のASさんは、
実は僕の知っている人だった。うわーっ、会いたかったなあ。
あの時言ってくれたら遊びに行ったのに。
石垣にいた時には髭もじゃだったけど、今は全部落としてしまったという。
ASさんの家は実家だったので、あまり長居ができずに出たという。
またどこかで会えるかな。

まだ他にももう一人苫小牧に知人がいるという。
もしかしたらその人も僕が会ったことのある人かもしれない。
世の中は意外に狭いんだな。

そんな話しをしているうちに、いつのまにか11時半になっていた。
ランタンを囲んだ酒盛りなんて、米原以来だな。
あっというまに時間が過ぎてしまったよ。
それじゃ、そろそろ寝ようかな。


本日の走行距離:219キロ  トータル5,629キロ

スタンプラッシュ 南へ 2003,11,14
午前8時過ぎ、重い気分で道の駅を出発した。

そのまま函館まで走ってもおもしろくないのでスタンプを集めることにした。
まずR37を進み、だて歴史の杜。ここは営業開始前だったのでスタンプを押した紙をGET.。
R453に入り洞爺湖方面に向かって、そうべつサムズ。
R230を北上し、230ルスツ。ここはTMに出ていない新しい道の駅だ。

留寿都からは道道66を西進して道の駅ニセコ。
そこからはR5を走っていると道の駅らんこしふるさとの丘発見。
しかしスタンプ帳をいくら探してもも出ていない。どうやらできたばかりらしい。
それにしてもどんどん道の駅が増えるな。僕にとっては便利になって嬉しいかぎり。
いままであった建物を改装して道の駅の指定を受けたのもあるようだ。

さらに進む。次は道の駅くろまつない。そこからは日本海側に出た。
交通量の極めて少ない快適な道。天気も回復してきた。

R229に乗り道の駅よってけ!島牧。
そこからはしばらく走り、大成町のてっくいらんど大成。
厚沢部町に入り、道の駅あっさぶまで行ってスタンプを押し折り返し。
そして江差、上の国もんじゅ。そこからしばらく道の駅は無い。
沿岸を走っていると、水平線上に溶けるようなサンセットを見ることができた。

このあたりまで来ると風が温かく感じる。南に来たんだな。

北海道最南端の白神岬をまわりこみ、吉岡温泉で一休み。
400円で4種類の温度が違う湯舟があり、露天風呂もあった。
さすがに今日は雪見風呂とはならなかったけど
冷たい空気の中入る露天風呂もまた格別だ。

道の駅ふくしまに寄ったがすでに営業終了。スタンプを押した紙をもらう。
その先、道の駅しりうちではその紙さえない。うーん、最後の最後になあ。残念。

海岸に出ると、はるか向こうの水平線が異常に明るい。
ついに函館が近付いてきたか。

沿岸の道路も流れがよく、途中コンビニに寄って食料を調達した。
そして7時ころには函館港に到着した。本当に久しぶりだ。

友達に連絡を取ると、青森の三沢付近にいるという。
それじゃやっぱり大間行きに乗ろう。今夜はここでビバーグだ。

それにしてもいろいろな事があったなあ。
こんなに想い出深い北海道は初めてだったよ。
もう、こんなことは二度とないかもしれないな。

18年ぶりのエリモ岬 2003,11,13
携帯との接続ケーブルが行方不明となったため、アップが遅くなりました。
ケーブルはリヤシートの後方のスペアタイヤスペースに落ちていました。


6時半、目が覚めた。外を見ると青空が見える。今日はいい天気になりそうだな。

明るくなって周りを見ると、なんて広い駐車場なんだろう。
それにすぐ近くにコンビニや温泉もあって便利だ。今度からここを利用しよう。

いつもと同じようにコーヒーとパンで朝食。
ツーリングマップルを見ていると、士幌町の道の駅を見逃していたのに気が着いた。
あらら、あの位置ならちょっただけ遠回りすれば寄れたのにな。僕としたことが。
まあいいや、だいぶ戻るけど急ぐ旅でもないし。行ってみよう。

今日は早め、7時半に道の駅を出た。
両側に牧草地や畑を見ながら走る。霜が降りて表面は白くなっている。
牧草も刈り取られて、あとは冬を待つだけ。そんな気持ちにさせる。
よく深ダンプを見掛けるが"ビート専用車"と表示してある。内地では見ないな。

そして道の駅ピア21しほろに到着。まだ物産館は開いてない。
とりあえずトイレに行ってみるとスタンプを印刷した紙が置いてあった。
本当はスタンプを押したいんだけどな。まだ8時前だから仕方ないか。
足寄湖みたいに何にもないよりましかな。

そのままR241を南下。帯広市街を通過してR236を南下していく。
途中愛国駅に寄ってみた。高校生のころ広尾線に乗ってここに来たな。
あのころはまだ国鉄だった。愛国から幸福行きの切符を買った記憶がある。
その何枚かはまだ僕の手元にある。

駅舎は鉄道記念館になっていて、懐かしいグッズがたくさん展示されていた。
そして壁にはたくさんの名刺が貼り付けられていた。

ホームに出てみると、1台の蒸気機関車が置かれていて、その前後だけ線路が残っていた。
途切れた線路の先には住宅が建っていた。あれじゃ、もう軌道を敷くこともできないな。
復活することは無いとはわかっていても、これをみるとやっぱり寂しい。

愛国駅に寄ったら幸福駅に行かなければならない。
一度国道に戻り、さらに南下して旧幸福駅に到着。ここには2台の汽動車が置かれていた。
駅舎には以前にも増して、名刺やら写真が貼られていた。
もう貼る隙間もないというほど。中には反則切符や赤切符まで貼り付けられていた。

幸福駅を後にして一路えりも岬を目指す。
途中の道の駅、なかさつない、さらべつ、忠類、コスモール大樹でスタンプをゲット。

11時過ぎ、黄金道路にさしかかった。懐かしいなあ。
以前ここを通ったのは、僕が高後生のころ、国鉄周遊券で来たんだよな。
このルートも国鉄バスだった。あれからもう18年か。

そしてえりも岬に到着。18年ぶりに見る風景だ。でもあまり変わってない。
風が強く寒いので先端の展望台まで一気に走っていった。
そういえばここは前からあったかな。やはり18年の年月で、僕の記憶は少し薄らいでいた。

帰りも登りだったけど一気に懸け上がろうと思ったが途中で息が切れて中断。
体力もやっぱり10代よりは…、年を感じてしまった。

車に戻り、少し下って前に泊った旧えりも岬ユースに行ってみた。
すでにユースはやめて、民宿になっているとは聞いていた。
到着すると、"えりも"の文字だけ残し、その他はペンキで塗りつぶされていた。
それを見るとちょっと寂しくなった。以前は北海道の3大きちがいユースと言われてたのにな。
しかし熊笹に覆われたこの風景は、あの時と変わってはいなかった。

さて、苫小牧に戻るか。いや目的地は函館だった。
もう何年も函館は行ってないな。最近はずっと苫小牧から上陸していたからな。
函館は何年ぶりになるんだろう。

R336に乗り、海岸沿いの道をひたすら走る。
道の駅ごとに休憩し、そしてスタンプを押していった。

苫小牧が近付くと周囲はに真っ暗。
友達がいるはずの苫小牧港に行くが、どこを探しても見当たらない。
連絡を取るとすでに本州に渡っていると言う。おいおい、話しが違うじゃないか。
どうするんだよ、牡蛎。と言うと、送ってくれと言ったはずだという。
そうだったかな。それじゃコンビニから送るしかないな。

その後、コインランドリーで洗濯を済ませ、さらに西に向かった。
そして室蘭の道の駅に到着。室蘭はもう7・8年ぶりになるな。
さて明日は北海道最後の日になるな。

走行距離記録忘れ

トドワラの奇景 2003,11,12
今日は目が覚めたのは6時半過ぎ。起きるのがちょっと辛かった。外は雨模様。

シュラフをたたみ、シートを戻してコーヒーを沸かし、そしてパンを2個食べた。
7時50分、道の駅を出発。R244でトドワラを目指す。

途中越川温泉を発見。夏に来た時は見逃したからな。
ツーリングマップルでは赤いドラム缶が目標となっていたが
実際には白いドラム缶だった。塗り替えられたのかもしれないが。

温泉もリニューアルされたらしく、湯舟は屋根付きで、男女別に区分けされていた。
女湯は男湯の半分くらいのスペース。まだ9時前だったので誰もいなかった。

さっそく服を脱いで温泉に浸かった。温度も好きなように調整できる。
お湯は無色透明、無臭ながらも鉄分を含んでいるようだ。
朝の温泉は気持ちよく、窓からは舞う雪が見えた。
入浴料は200円。といっても徴収する人はおらず、ドラム缶にコインを入れた。

温泉を出てさらに南下。雪がだんだん強くなり、根北峠付近は銀世界。
路面も圧雪状態で、ロードノイズが極端に小さくておもしろい。
薫別温泉にも行ってみたがったが、雪が降っているので今回はパス。
そのまま海岸沿いまで出た。そして野付半島に入った。

トドワラまで行くのは久しぶりだな。もう10年くらいになるかな。
駐車場に車を止め、案内板を見た。けっこう遠いんだな。
車では行けないし、馬車も今日は運航していない。
でもせっかく来たんだから行ってみよう。

歩道を歩き始めたが寒い。気温は5度くらい。風が吹くと耳がちぎれそうに痛い。
途中でたまらず走りだす。息が切れてペースダウン。そんな繰り返し。
そして30分くらいで先端に近付き木道になった。

前に来たに比べ、枯れた立ち木が随分減ったような気がするな。
たしかもっと鬱蒼としていたような感じがしたが。
小学校の教科書の写真もこんなんじゃなかったよな。
トドワラもそのうち全て湿原みたいになってしまうんだろうな。見ておいてよかったよ。
帰りも駐車場まで30分ほどかかった。

あまりの寒さに車に掛け込みヒーターを全開にした。
それでも耳の痛みはなかなか取れなかった。

R244に戻りさらに南下する。そしてR44に出て根室方面に向かった。
途中の道の駅でスタンプを押し、野沙布岬には向かわず折り返した。
そして厚岸の道の駅でスタンプを押した後、この前行った牡蛎の直売所へ向かった。

そこで友達に頼まれた牡蛎を30個買った。
苫小牧に着くのは明日だから、発泡スチロールの箱に保冷剤も3個入れてもらった。
そして温まらないよう車内には入れず、ルーフトランクに収納した。
これなら気温くらいまでしか上がらないだろう。

厚岸からは道道14を北上していく。草原地帯を抜ける、いかにも北海道らしい道。
そのうち青空が広がった。こんな天気、久しぶりのような気がするな。
晴れた空を見ると、心も晴れていくような気がするよ。

標茶からはR391を北上、摩周湖を目指した。
弟子屈町に入ると雪が降ってきたが、摩周湖が近付くにつれ晴れてきた。
これは夏とは全く反対の現象だ。
第一展望台から先は冬の通行止めになっていて、
駐車場は有料だったので摩周湖は見ずに戻って来た。

道の駅摩周でスタンプを押した後、R241を西進。
阿寒湖を通過し、一気に足寄まで走りぬけた。

そして道の駅足寄湖でスタンプを押そうとしたが見つからない。
いったいどこに置いてあるんだろう。さっき行った上の建物は工事中だったし。
こういう時は大抵トイレにあるんだけどな。でもここには無い。
あれっ、もしかして。スタンプ帳をよくみるとここの道の駅は水曜日が定休日だ。あがやぁ。
どこの道の駅でも24時間スタンプが押せると思っていたのに。

仕方なく諦めて道の駅を後にした。
久しぶりに帯広のAO木さんに電話してみたが、右手を故障して運転もできないらしい。
今は仕事もしていないらしい。

さて暗くなったのでそろそろ温泉に行こう。今日はどこにしようかな。
上士幌は去年行ったからな。そうだ、久しぶりに清水温泉に行こう。
毎年夏に来ていたときは、帰る2日前にこの温泉に寄っていたんだよな。
ここに来ると、北海道を去るのも近いな、って思ってた。

R274から道道133に入ろうとしたら道の駅の看板。
あれっ、こんな所に道の駅があったかな。まあいいや、とりあえずスタンプを押そう。
町民ホールの入口にスタンプがあったけどここは何番だ?
どこを探しても番号が書いてない。スタンプ帳にも見当たらないぞ。
入口の警備員の人に聞くと、できたばかりでスタンプ帳にも無いという。
そうだったのか。とりあえず予備のページにスタンプを押した。

そして清水温泉に向かった。
毎年お盆の時期に来ていた時は駐車場はいっぱいで、バイクもたくさん止まってたのにな。
でも今日はガラガラ、バイクは1台もいない。
空いているのはいいんだけど、なんとなく寂しくなるな。
中も空いていて、ゆっくりとおちついて温泉に浸かれた。
すっかり温まっていい気分だ。温泉から上がり、コーヒー牛乳を一気に飲み干した。

それじゃ今日の寝場所を決めようか。
もう先に進むのは止めてこの近くに泊ることにしよう。
ツーリングマップルを見ると、道の駅おとふけと、ライダーハウスおとふけもある。

弁当を買って道の駅おとふけに到着したが、敷地も駐車場も狭い。
それに国道に面していて交通量も多く、おまけに隣がスタンドでまぶしい。
これじゃ安眠できそうもないな。さっきの鹿追の方がずっといい。
とりあえずスタンプを押して道の駅を出て、
ライダーハウスを探したが見つからなかったので鹿追に向かった。

そして20分ちょっとで到着。こっちは広大な駐車場。ここがいいや。
明日は18年ぶりに襟裳岬に行ってみよう。北海道もあと3日かな。


本日の走行距離:599キロ  トータル4,291キロ

スタンプラリー開始 2003,11,11
午前7時前、目が覚めた。ここで夜を明かしたのは僕だけだったようだ。
山頂付近は雲がかかっていたが、利尻島がなんとか見えた。

いつものようにコーヒーとパンで朝食。
8時ちょっと前にパーキングを出発。今日は僕の好きな道北を走ろう。

まずオロロンラインを北上し、道道444で豊富に出て給油。リッター110円。
そしてR40を少し北上して宮の台展望台に行ってみた。
しかし展望台、というより公園自体が閉鎖されていた。
展望塔の階段は登れたので、サロベツ原野を見下ろすことができた。

そこから稚内幌延線に出ようと思ったらダート。
進入を止めて来た道を戻った。そして昨日通った道道84を東進む。
昨日は暗くて景色が全く見えなかったからな。やっぱりこういう道は明るい時に通りたい。

そのまま戻ってのではおもしろくないので、途中上猿払から道道732に入ってみた。
ツーリングマップルでは黄色の路線だったので舗装されていると思ったが、
数十メートルでいきなりダート。でもフラットで走りやすい。
直線では80キロくらい出せてSS気分。ススキ野原の中を快走。

途中に橋があり、その先の段差が大きくてフロントの下部をヒット。
やっちゃったかなあ。でもそれほどの衝撃が無かったので損傷はないようだ。やれやれ。

路肩にはなぜか水深計が設置されていた。
そういえば入口に"冠水時は通行止め"と書いてあったけど
この水深計(冠水計かな)、最低は30センチ。最高は140センチ。
140センチじゃ完全に水没だけど、30センチだって普通の車じゃ無理じゃないか。

その先もずっとダート。橋の部分はかなり高くなっている。この周辺は湿原のようだ。
10キロ以上はあっただろうか。こんなに楽しいダートは久しぶりだった。

反対側の入口の電光掲示板はには道路決壊、大雪警報などが表示されていて
その下に進入をためらっている車が1台止まっていた。
掲示板は誤動作しているようだ。

R238に出て南下。浜頓別を通過して問牧からケモマナイ林道に入った。
この林道は分岐が多く、看板もほとんど無い。
それにツーリングマップルとルートが違う。カーナビが無かったら迷っていたよ。
先に進むにつれ道が狭くなり少し荒れ気味だ。

枝を踏んづけたら床下に引っかかったようで、引きずっている音がする。
そのうち取れるだろう、と10メートルほど走ったが取れない。
一度止まって少しバックしても取れない。なんだなんだ、どこに引っかかってるんだ。
仕方なく車から降りて下を覗いたがよく見えない。
反対側に回りこむと、直径3センチほどの木の枝を発見。これだこれだ。
しかし引っ張っても全然取れない。どうやら床とプロペラシャフトの間に挟まったようだ。
力を込めて思いっきり引っ張ったらへし折れた。まあいいか。

そして道道12に出て東進、R238に戻った。
少し南下するとはまなす交流広場キャンプ場を発見。
広い芝生にオートサイトもあり、電源も無料で使用できるらしい。
しかし10月いっぱいで閉鎖されていた。今度夏に来た時に寄ってみよう。

さらに南下。道の駅興部に寄ってみたが列車の宿泊所は閉鎖されていた。
やっぱり北海道は夏に来なきゃダメだ。

道の駅の内部を偵察しているとスタンプラリーの帳面が欲しくなった。
カウンターで聞いてみると、1冊だけ残っていたのでそれをもらった。
キャンペーンはすでに終了していたが、そんなことはいいや。
でももっと早く気付いていればスタンプがたくさん集まったのにな。

その後、道の駅オホーツク紋別では交通安全運動のパレードの準備が行われていて
僕がその車の中に止めると、パレードに参加する車と間違えられた。
ナンバーを見ればわかると思うんだけどな。

次は中湧別、スタンプを押して五鹿山公園キャンプ場を偵察。
ここも冬季休業に入っていて、列車の宿泊所も閉まっていた。

さらに進む。愛ランド湧別、サロマ湖、とスタンプを押した。
とう沸湖では、湖面にも映る真っ赤な夕焼けを見ることができた。
そしては道の駅はなやか小清水に到着。
とりあえずスタンプを押して、今日の宿泊場所を決めよう。

もう4時半で暗くなってきたからな。今日はこの辺りにしようか。
それじゃ温泉に行こう。ツーリングマップルで検索すると小清水温泉が近い。
しかし今まで何回も探したけど見つからなかったんだよな。今度こそ。

R244を走っていると"小清水温泉ふれあいセンター"の看板発見。
それに従って走っていくと国道沿いに入口の看板発見。さらに進むと温泉にたどりついた。
何だ、やっぱりツーリングマップルが間違っていたんだ。
入浴料は300円で、新しくきれいな温泉だった。

温泉を出てコンビニで弁当を買い、道の駅はなやか小清水に戻って来た。
さて明日は天気が良さそう。道東を走ってみようかな。

本日の走行距離:419キロ  トータル3,692キロ

最北端を目指せ 2003,11,10
午前2時ころ目が覚めてトイレに行った。止まっている車は僕の1台だけ。
車に戻りテレビを見ると開票結果が表示されていた。
それを見ると愕然としてシュラフに潜りこんだ。

再び目が覚めたのは午前7時。あれっ、いつもはもっと早く起きるのにな。
いつものようにコーヒーを沸かしてパンを2個食べた。
さてこれからどうしようか。このまま帰ったら不完全燃焼になってしまう。
せっかく来たんだ。納得いくまで北海道をまわってみよう。
少しづつではあるが、あのショックから立ち直ってきた。

8時ちょっと前、道の駅を出て北上開始。今日は最北端まで行こう。
R275を北上していくと深川留萌自動車道の入口があった。
どうやら無料で暫定開放されているようなのでこれに乗ってみよう。
秩父別ならちょうど通り道だ。

しばらくはR275に並行して進んでいく。
しかし途中からゆるやかに右に曲がっていく。おーい、そっちじゃないよお。
と言ってもどうにもならない。次の出口で出ると昨日泊った道の駅とほぼ同じ緯度。
あーあ、乗る前によく地図を見るべきだった。

再びR275に戻り雨竜川沿いに北上していく。信号の無い快適な道を快走。
朱鞠内湖が近付くと辺りは銀世界に変わった。そして美深に出た。
そこからはR40を北上、途中美深のキャンプ場に寄ってみた。

夏に来た時はあれだけ賑わっていたサイトも今は無人。
兵どもが夢のあと、そんな気分になってしまう。
道の駅でコーヒーを買ってさらに北上。音威子府からは西進していく。

佐久からは国道を逸れて道道119に入ってみた。
この道は峠を越えてオロロンラインに出る。以前来た時は通行止めだった。
地図を見るとトンネルは未完成、それを迂回する林道は冬季閉鎖。
しかし今日は通行止めの看板も無く、電光掲示板は何も表示されていない。
おっ、トンネルが開通したかな。

ゲートも開いててその先にはトンネルが見えてきた。
真新しいコンクリートの色。今年になって開通したようだ。
そしてオロロンラインに出ると一気に稚内まで北上していく。
ふと左を見ると、雪をいただいた利尻山と礼文島も見ることができた。

途中夕陽が丘パーキングで休憩。稚内市街に入った。
まずオイル交換するためにオートバックを探した。
すでに5000キロほど走っているので早めに換えなければ。
しかしオートバックスが見つからない。たしかにこの辺だったはずなのにな。
カーナビのランドマークとも一致しているのに。

たしかに周りの建物も記憶にある。
しかしそこにあるのは建設中の建物とドラッグストアの看板。
どこかに移転してしまったのだろうか。

仕方ないのでスタンドで給油ついでにオイル交換した。
リフレッシュして満腹になった車は調子いい。
北上して稚内ドームに行ってみると、工事も終っていてリニューアルされていた。
しかしドームの下にはキャンパーはおろか屋台も1軒もなかった。
ただ風が通りぬけているだけだった。

さらに北上しノシャップ岬に行ってみたが観光客は一人もいない。
寂しいなあ。どこにいってもライダーは一人もいないよ。

来た道を戻り、今度は最北端の宗谷岬を目指す。
海岸沿いの道を快走していくと、左の海の遥か沖合に島影が、サハリンだ。
宗谷岬に到着するも駐車場はガラガラ。信じられないほど閑散としている。
ライダーどころか観光客らしい車は僕を含めて2台だけ。

夏には無人の写真を撮るのは至難の技だった最北端の碑も、
今日は人がいるところを撮る方が難しい。というより誰もいない。
しばらく双眼鏡でサハリンを見ていたが、最北端の碑に行ったのは1人のロシア人だけ。
やっぱりこの時期はどこに行っても観光客はいないな。話しができる旅人もいない。

諦めてR238を進んでいく。荒涼とした熊笹の丘陵が美しかった。
猿払村のポロ沼あたりで日没。クッチャロ湖でサンセットを見たかったが間に合わなかった。
それから15分ほどでクッチャロ湖に到着。白鳥や鴨の類がたくさんいる。

おっ、ずいぶんたくさんいるな。人が近付いても逃げないよ。
子供が近寄っていくと、大きな白鳥が寄ってきた。
んんっ、エサを欲しがってるのかな。こりゃおもしろそうだ。
急いで車に戻り、残ったスナック菓子を持って湖畔に向かった。

すると数人の人達が来て、小さなボートのような物を引きずってきた。
それを追い掛けるように鳥たちが集まっていく。いったいなんだろ。
そのうち上部にかけてあったシートを外すと、どうやらエサのようだ。餌付しているのか。
鳥たちはみんなそっちに行ってしまったので、僕はエサをやるタイミングを逸してしまった。

しばらく見ていたが、寒くなったので車に戻り近くのコンビニに向かった。
そして弁当を買って再び湖畔の駐車場に戻って食べた。
弁当を食べ終わるとさっきのスナック菓子を持っていき湖畔にばら撒いた。
しかしさっき撒いたエサがまだ残っていて、ぼくのエサにはあまり興味を示さなかった。

さて、暗くなったので温泉に行こうか。
ここにも温泉はあるけど久しぶりに豊富温泉に行ってみたいな。
道道84を西に進んで行くと、途中からアラレは降ってきた。
交通量は極端に少ない。結局豊富温泉に着くまですれ違った車は5台だけだった。

そして温泉に到着。ここは石油発掘中に出た温泉。
黄色いお湯は僅かに石油の匂いがして、水面には油膜が見えた。

温泉から上がり車に戻ると友達から携帯にメールが入っていた。
僕の日記帳を見て気遣ってくれたのかな。すごく嬉しくなった。
喜びは、人に話すことで倍になり、悩みは、人に話すことで半分になります。
そんな加藤芳郎さんの言葉を思いだした。
僕はそのために日記を書き続けているのかもしれない。

豊富温泉を後にし、今夜泊る所を決める。
そうだ、近くにサロベツ原野パーキングがあるな。
夏に来た時はいつもあそこに泊ってたからな。今日はそこにしよう。
そして7時前にパーキングに到着。夏のように虫がいなくていいな。

明日から南下を開始しよう。久しぶりに函館まで行ってみようかな。


本日の走行距離:509キロ  トータル3,273キロ

そろそろ帰ろうか 2003,11,9
午前6時過ぎ、目が覚めた。
思わずふーっ、と深呼吸。というよりため息かもしれない。

食欲はあまりなかったが、コーヒーを沸かしてパンを1つ食べた。
さて、これからどうしようか。とりあえずコインランドリーに行こう。
8時前には到着したが、ほとんどの洗濯機が使用中。
空いているのは超大型のものばかりだった。

しばらく待っていると、小型の洗濯機が空いたのですかさず洗濯物を放り込んだ。
完了するまで車に戻って待機。それから乾燥機に移動。
1時間ほどで全て終った。

北海道を去る前に、今まで行ったところを記録に残しておこう。
まず近くの緑が丘公園の展望塔に行き、苫小牧市内をカメラに収めた。
そして昨日案内してもらったコンビナートに行った。
地震の後、火災を起こして潰れたり真っ黒になったタンクが確認できた。

そして浜厚真の海岸。もちろん波乗りをしている人はいない。
車を降りてしばらくその場に立ち尽くしていた。でも寂しさがつのるばかり。
そうだ、帰りのフェリーの時刻を確認しに行こう。
すぐ近くの苫小牧東港に行くと、今日は敦賀直行。明日は運航が無い。
しばらく港近くに車を止めて休んでいたが、虚しさは消えない。いや、さらに空虚感が増していく。


過去を変えることも、記憶を消すこともできない。
何かでそれらを隠すよりも、変えられないものは受け入れるしかない。
しかし、考えこんでいても、何の解決にもならない。
悲しさも寂しさも、時間がそれを和らげてくれる。
いつしかそれは、想い出にも、教訓にもなる。
よりよく生きるために、前を向いて歩いていこう。
人間は、今を生きることしかできないのだから。


どうやら僕はこの街にいるべきではないようだ。少し苫小牧を離れよう。
燃料が少なかったので、近くのスタンドで給油した後、気晴らしのため洗車した。
洗車を終えると日高自動車道を西進、R36を北上していく。
賑やかな街を見ていると、なんとなく気分が晴れるような気がした。

札幌市内に入ると渋滞してきた。
ツーリングマップルを見ていると、江別のキャンプ場を見てみたくなった。
そこはよく友達が利用していたキャンプ場だ。

国道を逸れ、市街地を通りぬけて野幌森林公園に到着した。
しかしキャンプ場が見つからない。案内板にもない。おかしいなあ、どこにあるんだろう。
地図をよく見ると少し先にも道がある。もしかしてそっちだったかな。
公園を出て少し南に進むとキャンプ場の看板。
右折して脇道に入った。そのころ雨がアラレに変わった。

その先は道が狭くなり、しばらく進むと広大な芝生が見えた。おおっ、ここだ。
しかしすでにトイレや炊事場も閉鎖されていて、もちろんキャンパーはいない。
いつかここでキャンプしてみたいな。

キャンプ場が確認できたので先に進もう。R12に乗り北を目指す。
信号も多く、車の流れもよくないが、今の僕にはその方が却ってよかった。
この時期の北海道では3時を過ぎるともう日暮れが近い。

砂川からはR275に乗り北上。
そして5時過ぎには道の駅サンフラワー北竜に到着。ここは温泉も併設されている。
ラベンダーカラーにライトアップされた建物は幻想的で、
中国最後の日に泊った家園国際酒店(HOMELAND HOTEL)を連想させた。

さっそく着替えを持って温泉に向かった。
貴重品は金庫に入れ、服を脱いで浴室に入った。
シャワーを浴びてからまず露天風呂に行った。
外に出ると、うわーっ、寒い。雪も降ってるよ。
お湯に浸かり、空から落ちてくる白い綿のような雪を眺めていた。

しばらくして浴室に戻り、いろいろな湯舟に入ってみて温泉から上がった。
そして髪を乾かし着替えていると、ロッカーのカギの行方の記憶がない。
あれっ、どこに行ったんだ?たしか浴室には持ちこまなかったよな。
服を着て、2つ使っていた服の籠をくまなく探すが見つからない。
やばいな、どこかで落としたかな。

仕方ないのでフロントに聞いてみようと脱衣所を出た。
ドアの外にあるロッカーには僕が入れたと思われる所にカギはない。
これなら最悪カギを弁償すれば何とかなるな。

そしてフロントに行き、ロッカーのカギが落ちてなかったかと聞くと
しばらくカウンターの中を見渡した後、27番ですか?と言ってカギを取りだした。
あーっ、よかった。日本もまだ捨てたもんじゃないな。
これが海外だったら絶対に出てこなかっただろうな。
誰が届けてくれたのかはわからなかったが、お礼を行ってカギを受け取った。
ロッカーの中には無事に財布が入っていた。

ほっとしたら喉が乾いたので500mlのスポーツドリンクを買い一気に飲み干した。
テレビを見ると大相撲中継をやっていて、今日の結びの一番だった。
結果を見届けて車に戻った。

今日はもう先に進まずここで泊ろう。


数日間記録を忘れたため本日の走行距離は不明 トータル2,764キロ

北海道の想い出 2003,11,8
布団の上で寝るのは久しぶりだったので、昨夜はぐっすり寝られたな。
朝6時半ころか、目が覚めた。外を見ると一面の銀世界。昨夜は雪が降り続いたようだ。

暖房の影響か、空気が乾燥していて喉が少し痛く感じた。
布団から出て1階の大浴場に行きシャワーを浴びた。

部屋に戻り着替えてからレストランに行き朝食。
バイキングといってもほとんど選択肢の無いほど食材は少なかった。
昨日このホテルに泊ったのは10人ほどか、まあこんなもんかな。

食事を終え出発の準備。9時にはチェックアウト。
駐車場に行くと車には1センチほどの雪が積もっていてフロントガラスは真っ白。
あっ、昨日ワイパーを上げておかなかったな。いや、そんなこと気にもしていなかった。
幸いワイパーのゴムはガラスに癒着してはいなかった。

エンジンをかけようとセルを回すと何となく頼りない音。
寒冷地仕様車なのにな。まあ問題なくエンジンはかかったけど。
しばらくエンジンを温めてから出発。

そういえば今朝はコーヒーを飲んでないな。朝食にコーヒーが無かったからな。
コーヒーが飲みたくなったけど2人乗っているとコンロが使えない。
どこかいい場所は無いかな、と周囲を見渡すとバスの待合所が目に入った。
おっ、あれならいいな。風も来ないし。でもドアが開いているかな。

車を降りて恐る恐るドアノブを回すとロックの感触が無くスムーズに回った。
よしよし、ちょっと使わせてもらおう。始発バスが来るまで1時間半はある。
さっそくコンロを持ちこみコーヒーを沸かした。

そのバス停は登山計画書の受付も兼ねているようで、提出された名簿が無造作に置かれていた。
コーヒーを飲み終わると体が温まった。車もヒーターが効いて温かくなった。
それじゃ行こうか。

道路は雪が積もり真っ白。滑りそうなので慎重に走る。

少し戻ったところを右折、旭岳に向かった。
標高が上がると辺りは真っ白。そしてロープウェイ乗り場に到着。
何年か前に来た時は、新しく架け替えている際中で乗れなかった記憶がある。

こんな雪の中動いているのかな、と思って建物に入ると閑散とはしているが暖房が効いている。
2階に上がるとチケット売り場も開いていたので営業しているようだ。
駐車場ではクロスカントリーの練習をしている人が30人ほどいた。
まだそれほど積雪が無いのでコースはまだ使えないようだった。

冬の期間は毎時00、20、40分の1時間に3回の運行。
上の遊歩道を歩いてみたかったので一度車に戻って防寒対策。
トレーナーの下にもう1枚シャツを着こみ、ジーンズの下にスウェットをはいた。
さらに靴下を2枚はいた。うーん、これでいいだろう。

特に急ぐ必要も無いのでゆっくりしてから2階の乗り場に向かった。
2階にはモニターがあり、上の駅の外の様子が映し出されていた。
しかし画面は真っ白。故障しているのかガスっているのか判別がつかないほど真っ白。
まあいいや、とりあえず行ってみよう。

ゴンドラは101人乗り。暖房は無いので寒い。
乗客は車掌?を除くと僕達2人だけ。貸しきりだ。
しかし寒い。座っていると寒いので立っていることにした。

10分ほどで上の駅に到着。さっきにも増して寒い。
それに風もあり霧がかかって視界は極端に悪い。
係の人に聞くと、遊歩道は人の身長ほどの積雪があるという。
第1展望台まで行くのがやっとだという。

とりあえず外に出てみよう。
2重のドアを開けた瞬間、風が頬を刺すように冷たい。
さらに粉雪がウィンドブレーカーの中に吹きこんでくる。
それに雪もくるぶしまで埋まるほど深い。

遊歩道の入口に向かってみたが、こんな軽装じゃとても先に進めない。
途中で吹きだまりにハマってしまうかもしれないので危険だ。
諦めて駅に戻り休憩室でしばらく過ごした。僕は少しお腹がすいたので焼きそばを食べた。
しばらくして1階のギャラリーで写真を見ていたが暖房がないので寒い。

次の運行の案内が入ったのでゴンドラに乗りこんだ。
Nさんは切符をどこかに落としてしまったようだが車掌は乗せてくれた。
麓の駅に下りると視界は回復した。

駐車場を出て今度はヌプントムラウシ温泉を目指す。ちょうど山の反対側だ。
層雲峡、糠平、士幌と通過し東大雪湖の脇を北上。トムラウシとの分岐点に来た。
幸いゲートは開放されていた。しかしすでに日は沈み辺りは真っ暗。
こんな時間に来るのは初めてだ。

ダートに入り、温泉を目指して走る。
約15キロのダートもそれほど道は荒れていなかった。
しかし所々ウォっシュボード状態になっている。

何とか温泉付近までたどり着き、駐車場に入るとキャンピングトレーラーが1台。
こんなクルマがよくこんな所まで入ってきたな。
明かりはついてなかったが、アウトリガーが出ているところを見るとここに滞在しているんだな。

車を止めて、とりあえず湯舟を確認しに行った。
お湯を触るとぬるい。これじゃ寒くて入れないな。
僕はお湯のバルブを全開にして車にタオルなどを取りに戻った。

しばらくして戻ってきて服を脱ぎ、さて入ろうか、
と思って温度を確認すると今度は熱すぎて入れない。これじゃゆだっちゃうよ。
お湯のバルブを止め、水のバルブを開けたけど水の出が悪い。
5分ほど待ってもとても入れない。
うーん、源泉は100近いからな。全開にしたのは間違えだったようだ。

埒が開かないうえに寒くてたまらいので一度服を着て車に戻った。
そろそろいいかな、と思ったころ懐中電灯を持った2人の姿が。あらら。

月明かりの下、様子を見ていると、やはり熱くて困惑しているようだ。
30分ほど待っただろうか、そろそろ上がる様子だな、と思ったらまた一人向かって行った。
仕方ないので空くまで車で話しをしながら待つことにした。


人はそれぞれ性格も価値観も、育った環境も違う。そんなことは百も承知だ。
しかし、それを理解しようとしても、僕には想像もつかないような世界がある。
今まで経験したことがないことは、容易には判断することも、結論を出すこともできない。
僕には何でもないと思われる行為が、相手にはそれが致命傷になってしまうこともある。
それを回避するツールを、残念ながら僕は持ち合わせていなかった。
それが、事態を不可逆的に進行させてしまうことになってしまった。


どれくらい待っただろうか。7時を過ぎると湯舟には誰もいなくなった。
さっそく僕達は車を降りて温泉に向かった。今度は快適な温度になっていた。

肩までお湯に浸かり、夜空を見上げると、空にはいくつかの星が輝いていた。
いつしか山の稜線からは、丸く真っ白に輝く月が登って来た。
時折雲に隠れ、そして雲が切れると、その輝きが辺りを幻想的な世界へと変えていった。
この瞬間、永遠に続いてほしいと願わずにはいられなかった。

お湯から上がり、車に戻ると1時間近く時計が進んでいた。

エンジンをかけ、ライトを点灯して夜の林道を走り始めた。
なんともやりきれない気持ちになった。
しかし僕にはどうすることもできなかった。

林道を抜け、給油のため一度芽室まで行き、
日勝峠を越えて、日高から鵡川を経由し苫小牧が近付いてきた。
高速には乗らず、いつもNさんが波乗りをしている海岸に車を乗り入れた。
すぐ先には、白く砕けた波が、際限無く打ち寄せていた。

そして「最後だから」とその先の石油コンビナートを案内してくれた。
そこは要塞のように輝く、まるで夢の中の世界のようだった。
しかしその一言は、僕を奈落の底へと突き落とすような衝撃と重さを感じた。

そして午前1時過ぎ、Nさんのアパートに到着。これでお別れだな。
「もう会うことはないのかな」
「たぶんね」
黄色いハンカチに託した願いは叶わなかったけど、
この3日間は、僕は本当に夢の中にいたように幸せだった。
「ありがとね、今まですごく楽しかったよ」
最後にそう言って、僕は振り返らずアパートを離れた。
これでよかったんだよな。

夜の街を抜け、苫小牧港に車を止めた。
楽しかった思い出が、走馬灯のように頭をかけぬけた。
シュラフに包まり目を閉じると、僕は涙をこらえきれなかった。

そろそろ北海道を離れようと思う。

鳥沼でまったり 2003,11,7
6時半過ぎ、ラジオ体操を聞きながらようやく眠りについた。
しかし周囲はすでに明るくなっていて、8時ころには目が覚めてしまった。

しばらくして2トントラックに乗ったおじさんが2人やってきて、僕達を見て笑っていた。
いったい何しに来たんだろう。そのうちキャンプ場内を行ったり来たり。
最初はウォーキングをしているのかと思った。
しばらくすると車に乗って去っていった。

僕は車から降りて場内を散策。
やっぱりテントが2張りある。2人ともチャリダーだった。
さてトイレに、と思ったらシャッターが閉まっている。炊事場の水も止まっていた。
さっきの人達はキャンプ場を閉鎖しに来たのか。

たしかにトイレの外側の壁には10月31日で冬季の休業期間に入るとの告示があった。
噂ではこのまま永久に閉鎖になってしまうというが、来シーズンどうなるのだろうか。

トイレも使えないのでは仕方ない。公園側の駐車場に車を移動した。
そして2人ともシュラフ被ったまままったり。いつのまにかお昼を過ぎて2時になってしまった。
たまにはこうしてゆっくりするのもいいかな。

しかし今日もここで泊るわけにはいかないな。
じゃらんを見ながら今夜の泊る場所を考えた。
この近くに手ごろな値段で泊れるホテルはないかな。できれば温泉があった方がいい。

よく見ると天人峡温泉のホテルが載っていて、温泉もある。
じゃらんの特別優待料金で泊ることができ、金曜日はさらに500円引き。ここにしよう。
さっそく電話してみると、難なく予約することができた。
受付の人が何度も「今日ですか?」と聞き返したのはなぜだろう。
温泉宿に当日電話して予約するのは珍しいのだろうか。

燃料も無くなってきたし、そろそろ出掛けようか。
一度美瑛まで出て給油、21世紀の森湯に行ってみることにした。
西政和から道道37に乗り、旭川空港の前を通過、旭山公園付近から道道295に入った。
そして21世紀の森、ファミリーゾーンに到着。
まだ新しく、コテージもある整備されたキャンプ場だった。なかなかいい所だな。
見たところキャンパーは誰もいないようだ。少なくともテントは見当たらなかった。

その先をさらに進むと小さな温泉があった。
でもそこはキャンプ場利用者専用の温泉だった。残念。

そろそろ暗くなってきたので宿に向かおう。
来た道を戻り、道道1160に乗りしばらくすると巨大な建造物が見えてきた。
なんだ、れ。まだ建設中のダムだった。堰堤はほとんどできあがっていて
その大きさは見る者を圧倒するような迫力だった。
トンネルを抜けてダムの上流側に出ると、思わず言葉を失うような光景だ。
映画のセットというか、仮面ライダーのロケ現場のようだ。

まだ水の無いダムの底には慌ただしく工事車両が行き来して
工事関係者の宿舎が明かりを灯していた。完成はいったいいつなんだろう。
この活気に満ちた光景も、いつしか全て過去の記憶になってしまうんだろうな。
そして、ダムの底で、その歴史を留めて密かたたずみ続ける。
完成したらぜひもう一度ここを訪れてみたい。

ガムを噛んでいると突然異様な感触。うわっ、もしかして。
しかしその予感は的中。歯の詰め物が取れてしまった。
まいったなあ、こんな所で。まあ痛くないからよかったけど。
苫小牧に戻ったらNさんの知りあいの歯医者さんを紹介してもらおう。
とりあえず仮の詰め物があればなんとかなるだろう。

その先をしばらく行くと、ホテルが見えてきた。
層雲峡のような岩の壁と葉の落ちた木々がライトアップされていて幻想的だ。
空からは雪が舞うように落ちていた。
駐車場に車を止め、フロントでチェックイン。
スピードくじを引くと7等の温泉入浴券が当たった。
部屋に案内されると部屋の窓からもライトアップされた木々を見ることができた。

とりあえず荷物を置いて、浴衣に着替えて1階の温泉に降りた。
露天風呂のお湯はぬるめでちょうどよく、空からは白い雪が落ちてきた。
肌が引き締まるような冷たい空気の中入る温泉は最高の気分だ。
そして今日も雪を見ながら温泉に入れた。

すっかり温まったので部屋に戻るとしばらくして夕食が運ばれてきた。
こんな食事が付いてあの値段じゃ激安だ。閑散期はお得だな。

食事を終え布団を敷いてもらうと眠くなった。
昨日、というか今朝はほとんど寝てなかったからな。
1時間ほど寝てからまた温泉。さっきより一層涼しくなった。

その後は部屋に戻り横になるといつのまにか夢の中へ。

真夜中の露天風呂 2003,11,6
昨夜はラジオをつけっぱなしで寝たら、夜中に電圧降下の警報音が鳴った。
眠いのでしばらくそのままにしていおいたけど、耳障りな音に耐えられなくなり電源を切った。

朝は6時半ころ目が覚めた。それほど寒くなかったようだ。
コーヒーを飲みながらゆっくりと準備をして、8時過ぎ道の駅を出た。
燃料が少なかったので、すぐ近くのスタンドで給油した。

久しぶりに穂別から福山に抜ける林道を通ってみたくなったので道道74を東進。
生田から北上して穂別を目指した。

ふと助手席側の、いつもキーを掛けてある所を見るとキーが無い。
ありゃっ、道の駅で落としたか?もしかして…。

すぐに車を止め確認すると、ロックが2つとも解除されたままで、キーもつけっぱなし。
道の駅からは30キロも走ったのに、よく荷物が飛び出さなかったな。
それに運良くキーも落ちなかったよ。くわばらくわばら。
しかしさっきのスタンドの人、窓を拭いた時に気付かなかったのだろうか。

穂別町から道道610に入ると見たくない看板"通行止め"。
見て見ぬ振りをしてさらに進むと今度は電光掲示板による通行止めの警告。
こうなると認めざるを得ない。諦めてUターン。
この時期に来るのは初めてだからな、冬の通行止めになってるのだろうか。

穂別の市街?まで戻って北上し、R274樹海ロードに出た。
そこから西進し、新夕張から北上し沼ノ沢駅近くの駐車場でしばらく休憩。
柿の種を3袋食べたらお腹いっぱいになってしまった。

その後、再び北上開始。幸福の黄色いハンカチ思い出ひろばに寄った。
平日の昼間、駐車場には1台も止まっていなかった。
炭住のセットまで歩いて行き、中に入るとやはり誰もいない。
黄色い紙に願い事を書いて天井にガビョウで止めた。
帰りに幸福の黄色いハンカチをお土産に買った。

その後再び北上、万字炭山森林公園に立ち寄ったがおもしろくないのでパス。
岩見沢方面に向かい、道道30を南下。栗山からR234に乗り苫小牧に戻って来た。

しばらく緑が丘公園で休んだ後、近くのスーパー銭湯に向かった。
そして7時にNさんのアパートに行き、僕の車で出発。これから富良野に向かう。

さっき戻って来た道を逆走。岩見沢を経由してR452に乗り三段の滝の先を右折。
芦別をパスして富良野に出た。交通量は少なく快適に走れた。
そして上富良野から吹上温泉を目指した。

標高が上がるにつれ、白い物が舞い始めた。雪だ。
そして駐車場に入ると2台ほどの車が止まっていた。
こんな寒い夜中に来る人がいるんだな。まったく物好きな。

とりあえず車を降りて偵察に出発。それにしても寒い、凍えそうだ。
露天風呂には男の人が2人、やたらと明るいランタンを灯して入っていた。
一度車に戻ろうとするとまた2人来た。

これじゃしばらく空かないな。一度駐車場を出て白銀荘を偵察。
どうやらこの時期でも営業はしているようだ。
しかしその先の白金温泉方面にはゲートが閉まっていて行けなかった。

再び駐車場に戻り、さっきの人達が戻って来たのでさて行こうか。
と思ったら、無人だと思っていた車から人が降りて温泉に向かって行った。
どうやら男性1名のようだったが、なぜ無人になるまで待っていたんだろう。

このまま待っていても埒があかないので行くことにした。
真っ暗な道を懐中電灯を頼りに湯舟まで行くが、人の気配がしない。脱衣場にも服が無い。
さっきの人はどうしたんだろう。まさか消えたか。

うっすらと雪の積もった脱衣場のスノコはまるで氷のように冷たい。
速攻で服を脱いで湯舟に歩いていった。ひえーっ、足が凍りそうに痛いよ。
お湯に足をつけるとあちーっ。足が冷えてるので余計熱く感じた。
ふと前を見ると人がいた。明かりも無しで入っていたのだ。ああ、びっくりした。

でもお湯に浸かってしまうと温かくてちょうどいい。
夏に来た時は熱くて長くは入っていられなかったけど、今日は適温だ。
続いてNさんも入ってくると、しばらくして先に入っていた人は上がってしまった。
なんだか追い出してしまったようで悪いことしたかな。

しばらくは2人で雪の舞う温泉を独占していた。
どれくらい経ったころだったろうか、また2人が向かってきた。
だいぶ温まったのであがることにした。

しかしお湯から出ると寒い。というより冷たい。
すぐに水気を拭きとって服を着たが、濡れた髪の毛が凍りそうだ。
急いで車に戻りエンジンをかけた。あーっ、あったかい。
時計を見ると車を降りてから50分も経過していた。外は雪が強くなってきた。

今夜はここで車中泊しようと思ったけどトイレも閉鎖されていた。
他に誰もいなかったらここでもいいかと思ったけど、さっきの人もここで泊るみたいだ。
それじゃ麓の公園に移動しようということになった。

道路は真っ白になっていた。4駆のスタッドレスだから特に問題はないけどね。
途中富良野の街の夜景が綺麗に見えた。
麓に下り、日の出公園に行ってみるとカップルの先客がいた。
こんな時間にいったい何をしているんだろう。
トイレを見に行くとここも閉鎖。それじゃ鳥沼に行こう。

そして午前1時半過ぎ、鳥沼公園キャンプ場に到着。
トイレも炊事場も電気がついていた。やれやれ、ここにしよう。
とりあえずトイレに行って周囲を見まわすと人の気配。
まさかこの時期にキャンプしている人がいるの?
でも確かにテントのような物が2つ見えた。その1つには明かりも見えた。

寒いので車に戻りシートをフラットにした。
この車に2人で寝るのはちょっと窮屈かな。
荷物を無理やり後部のスペースに詰めこむと、なんとか寝るスペースが確保できた。
でもなかなか眠れず、すっと話しをしていた。
1時間ごとの時報の感覚が、とても短く感じられた。

そしていつのまにか外が明るくなってきた。あれっ、もう6時半だよ。
ラジオからはラジオ体操の歌が流れていた。
もうそろそろ寝よう。いつのまにか2人とも眠っていた。

洗車の後は雨 2003,11,5
昨日、というか今朝は寝たのが2時過ぎだったので、目が覚めたのが7時ちょっと前。
周囲が明るくなると、どうしても目が覚めてしまう。でもやっぱり眠い。
今日は1日ゆっくりしていよう。

8時ころターミナルを出てまずは洗車だ。
全体に泥だらけでラリーでゴールした直後のように汚い。
おそらく朝日スーパー林道を走ったときに付いたんだろう。
さらに1日放置してあった間雨が降り、さらに鳥の糞も付着していた。

通りに出てガソリンスタンドに併設されているコイン洗車場を見つけた。
さて洗車しよう、と思ったら小銭がない。近くに自動販売機もなさそうだ。
仕方ないので一度スタンドを出て自動販売機を探したけどみつからない。

そのさきに大きなスタンドがあったので、そこの洗車機の前に車をつけた。
そしてフロントに行って両替してもらった。
ここの料金は、水10分で200円。さっきの所は6分だったから、こっちに来て正解だった。
意外にも高圧の水流で泥はほとんど落とすことができた。

洗車を終えると支忽湖周辺の林道を走ってみたくなった。
良く考えると今洗車したばっかりなんだけどな。まあいいや。
早速苫小牧方面に車を向け、市街地を抜けてR276に入った。
ゆるやかな登りがずっと続く。木々に囲まれたいい雰囲気。僕はこの道が好きだ。

途中林道に入ろうと左折、しかしゲートが閉まっている。
ただ閉めてあるだけだろうから開けようと思って車を降りたがしっかり錠前がかけられていた。
なんだ、何でカギがかかってるんだろう。それじゃ他の入口を探すか。
ここはツーリングマップルにも出ていない入口だからな。閉まっていてもおかしくない。

その先に地図にも出ている入口があったので入ってみると、やっぱりここもゲート閉鎖。
あれっ、変だなあ。さらにその先の末端部分も閉鎖されていた。
もしかして冬季閉鎖なのかな。そこまで気付かなかったな。
仕方ないので自然の家近くの空き地に車を止めて休んでいた。
するとそのうち雨が降ってきた。ありゃーっ、さっき洗車したばっかりなのに。

その後、天気が好転しそうもないので麓に下り、弁当を買って緑が丘公園で食べた。
周囲を良くみると展望台があった。この前はゲートが閉まっていて上に上がれなかったな。
あの時はまだ8時前だったからかな。

さっそく車を上の駐車場に移動。しばらくしてNさんが来た。
そして一緒に展望塔に登ると、苫小牧の市街地を眼下に見下ろすことができた。
日が沈み、薄暗くなり始めた街に少しづつ明かりが燈りはじめた。

車に戻り、MISIAのライブのビデオを見ながら話しをしていた。
しばらくすると入口のゲート閉鎖の放送が入ったので下の駐車場に移動。
ビデオを見終わったので温泉に行こうということになった。
白老が近くてお勧めだというのでそこに行くことにした。

僕の車を止めて、Nさんの車に同乗して出発。20分ほどで到着した。
お湯は茶色で湯舟は2つ。奥の方がすこし温度が低い。
さらに露天風呂は40度以下で、僕にはちょうどいい温度だった。
星空を見上げながらゆっくりとお湯に浸かっていた。

すっかり温まったので大広間に行きコーヒー牛乳を飲んだ。
そして札幌ドームで行われいるオリンピックの野球の予選を見ていた。
帰りにコンビニで食料を買って街に戻った。

自分の車に乗り換え、さて鵡川に行こうと思ったら携帯が無い。
あっ、さっき温泉に行く時Nさんの車のグローブボックスに入れたんだ。
すぐにUターンして取りに行った。すぐに気付いてよかったあ。

市街地からは暫定無料開放されている日高道を通って道の駅むかわ四季の館に直行。
10時ころ到着した。温泉はすでに営業を終えていたので駐車場はガラガラ。
きょうはゆっくり休めそうだ。


本日の走行距離:110キロ  トータル1,312キロ

サファリのサンセット 2003,11,4
6時過ぎ、目が覚めて外を見ると曇っている。んんーっ、残念だな。
と思っていると、Sさんは晴れているよ、と言う。
ええっ、変だなあ、と思って良く見ると窓が結露して雲っていたのだ。
指で窓を拭いてみると青空が広がっていた。

とりあえずシャワーを浴びてから朝食。
一般的な朝食のメニューだが、ひとつ見慣れない食器があった。
一見普通のおわんとだけど、フタの中央に卵が乗っている。
そしてフタの中央部分は、ちょうど卵が乗るように穴が開いているのだ。
こんなの初めて見たよ。他にも茶碗がもう一つ。

保温ジャーが2つ置いてあったので、これは味噌汁用かな、と思ったら別に出てきた。
どうやらこれは卵を溶く容器のようだ。

食事を終え、8時に宿を出発した。
そして昨日の魚屋さんに行ってみたが、魚ばかりで殻付き牡蛎はなかった。
仕方がないので宿で聞いた店に行ってみるが定休日。
というか改装中で、冬季の休業機関に入っているようだった。

というわけで、来た時に見掛けた国道沿いの店に行ってみると生きた牡蛎を売っていた。
Sさんは殻を開けた牡蛎を生で食べていたが僕は遠慮した。

その後愛冠岬に行ってから海岸沿いの道を走り、浜中町のむつごろう動物王国を見に行った。
霧多布岬を過ぎトンネルの手前を左折。王国を探すが見つからない。
確か何年か前に来た時もさんざん迷ったっけな。
すでにその時の記憶も曖昧になっていた。

行ったり来たりして脇道には行ってみたがやっぱりダメだ。
カーナビが無いので地図を見ても今自分がどこにいるかわからない。
地図は自分の位置がわからないと、ほとんど用を成さないのだ。

んんーっ、おかしい。止めてしまったなんてことは無いはずだし。
仕方ない、ちょっと戻るか。
とりあえずトンネルのところまで戻ってトンネルを抜けてみることにした。

でもトンネルを抜けると方向が違うはずだけと…。
あらっ、なんだなんだ、こっちでいいんじゃないか。えらい勘違いだった。
そういえば以前もこんなことをしたような記憶もある。
無意識のうちに以前と全く同じ過ちをしてしまっていた。

坂を登りしばらく行くと"むつごろう動物王国"の看板発見。
ダートに入り少し進むとゲートがあった。
見学はできないことは知っていたが、いつのまにか売店も無くなっていた。
しばらくフェンスの外から見ていたが、何か変な音が聞こえたので車に避難。

なんだろう、今の音。
車をバックさせるとタイヤを引きずった数頭の犬が見えた。
そういえばテレビで見たことのある犬だな。たしか犬橇を引いていたような気がする。
その後しばらく周囲を散策してから戻ることにした。

トンネルを抜けて右折し、国道に出て給油。32リットルで600キロ近く走っている。
ということは1リットルあたり18キロ以上走っている。すごい燃費がいいな。

そして再び厚岸の市街へ。今度は少し奥まで行ってみた。
すると湾岸に牡蛎の直売所を発見。さっきの店より全然安い。
それに殻を開けてみると身がたっぷり入っている。やっぱりこれじゃなきゃ。
これから寒くなるとさらに美味しくなるという。

新鮮な牡蛎もGETできたので、戻ろうか。
R442出て釧路市街を通過。来た時に見たカニの店に寄ってみるとなんと休業日。
んんーっ、月曜の祝日の翌日は休業が多いようだ。

それじゃ先に釧路湿原を見てから街で食べよう。ということになり道道53を北上。
2箇所の展望台に寄ってから鶴居パーキングの手前を右折
クチョロ原野塘路線を抜けて細岡展望台に寄った。

デッキに出ると、一面の枯れ野原に西日が射してオレンジ色の世界になっていた。
まだ日没まで少し時間があるな。隣の展望台に行ってみよう。

そこから先はダート。Sさんの運転だ。
走り始めると早い早い。カーブの手前では思わず右足を踏んばってしまう。
僕もダートはかなり早い方だがそれよりもかなり早い。まるでSSを走っているようだ。

岩保木山は道が荒れすぎていて進入不能。先の水門に行くことにした。
途中、まるでサファリのような風景。溶けそうな太陽が地平線にせまり
遠くの立ち木のシルエットを浮かび上がらせていた。

写真を撮ってさらに進む。水門に到着するとちょうどサンセット。間に合った。
太陽が沈んだ後の西の空のグラデーションが、荒涼とした湿原とあいまって幻想的で美しかった。

そして車に乗りこみ市街地へ向かった。
まず釧路駅に行き、ガイドマップをGET。
マップを見ていると近くにフィッシャーマンズワ−フを発見。よし、そこに行こう。

1階の物産店ではカニを試食。どこで食べようか見て回ったが、外にあった看板に目が止まった。
すぐそこ、と書いてあるがそんなに近くじゃないぞ。
まあいいや、散歩がてらに行ってみよう。

そして2階に上がるとリバービューの最高ロケーション。
ライトアップされた幣枚橋がきれいだった。
僕たちはカニチャーハンを頼んだ。本物のカニがいっぱい入っていて美味しかった。
そしてボリュームもあってお腹いっぱいになった。

Sさんは腰が痛いというので僕が車を取りに行くことにした。
しかし駐車場に着くとキーを受け取るのを忘れたことに気が着いた。
駐車券のことばかり気にしていてキーのことはすっかり忘れていた。
オーマイガッ!しばらくするとSさんが歩いてやってきた。

さて帰ろうか。今日中に苫小牧に着けるかな。
帰りは最短ルートをたどる。R38で帯広まで行き、その先のくったり温泉で休憩。
そして少し戻りR274で日勝峠を越えた。幸い雪も無い。

道の駅樹海ロード日高でSさんに運転を替わってもらってR237日高国道を南下。
R235に出るともう苫小牧は近い。
海の方を見ると、月と同じ高さに不気味な光。あれは何だったんだろう。

そして午前1時半ころ、ようやくSさんの家に戻って来た。
荷物を積み替え2日ぶりにエンジンをかけた。
それにしても寒い。昨日まで暖かかったのに。まるでハンドルは凍っているようだよ。

本当は鵡川の道の駅で泊ろうと思ったけどそこまで行く気力が無くなった。
近くのフェリーターミナルで泊ろう。今日はよく走ったからな。

午前2時過ぎ、シートをフラットにし、シュラフに潜りこんで夢の中へ。

牡蛎の産地、厚岸 2003,11,3
ここの道の駅は温泉とギャラリーなどと併設されている。
トイレもそれらの入口のロビーににあるが、夜間はどうするのか不思議に思っていた。
夜中に起きてトイレに行くと、警備員が夜通し詰めていた。

午前2時ころか、何となく寒くて目が覚めた。寝ぼけ眼でエンジンをかけヒーターを効かせた。
しばらくして温風が出てくると、気持ち良くなって眠りについた。

午前4時ころ、今度は熱くてたまらず目が覚めた。マニュアルエアコンはつらいな。

そして6時に目が覚めたので、シュラフをたたんでシートを元に戻した。
そしてコーヒーを沸かしパンを食べた。

6時半ころ道の駅を出発し、苫小牧市街を目指した。空は曇り空。
朝の国道は交通量は少なく、高速道路並にペースが上がる。
あっという間に市街に到着。まずコインランドリーを探した。
夏に来た時に何となくあそこにあったなあ、と思う場所に行くとやはりコインランドリーだった。

中を覗くと大型の洗濯機ばかり。一番小さい物でもキャパは10キロ。
中に1つだけ普通の洗濯機があったので良く見ると靴用の洗濯機だった。
まあ他に見当たらないからここでいいや。洗濯物を入れて400円を投入。
25分ほどかかるので、近くの公園まで行きしばらく休憩。
時間になったのでコインランドリーに戻った。

次は乾燥だ。乾燥機に洗濯機を移してとりあえず200円を投入、20分ほど待った。
綿シャツや下着は乾いたけどズボンや靴下はまだ湿っているな。
あと100円を追加した。シャツをたたんでいると何となく青い。
もしかして…、ジーンズと一緒に洗ったのは間違いだったかな。まあいいや。

10分後、ほとんど乾いたのでいいとしよう。
そしてSさんの家に向かった。

しばらく準備をしてのんびりしていると、いつのまにか11時近くなってしまった。
今回は僕の車はSさんの家に置いて、Sさんの車で行くことにした。
そして荷物を積み替え出発。

途中ユニクロに寄ってスウェットの上下をセットで買った。
その後、100円ショップに行きお菓子やコロッケなどを買って海岸に車を止めて食べた。
製油所火災のあった出光のタンクを見に行くと、まだ何か放水していた。

そして海岸沿いのR235に乗り一路厚岸を目指す。
浦河町から襟裳岬をショートカットしてR236で野塚トンネルを通過。
豊似からはR336ナウマン国道。交通量の少ない道を快走。
そしてR38十勝国道に合流。釧路の市街地が近付いてきた。外はすでに闇に包まれていた。

釧路か、また来たぞ。
どうもこの街は好きになれない。
天気が悪く、気温が低いからという理由もあるが、道がわかりにくい。
市街地に入ると右に左にハンドルを取られ、ちょっと気を抜くと枝道に入らされてしまう。
今回も例に漏れず、いつのまにか寂しい道へ。
すぐに気がつきUターン。カーナビがないとすぐにミスコースしてしまう。

なんとか市街地を抜けR44根釧国道に入り、厚岸に到着。
厚岸といえば牡蛎だ。厚岸大橋を越え、街の魚屋さんに入ってみたが殻付きは無かった。
また明日にしよう。

今日の宿泊場所、厚岸愛冠ユースホステルを探索。
しかしなかなか見つからない。真っ暗で案内標識も不備なうえに濃霧で視界は最悪。
あちこち迷った末、電話で場所を聞いて8時ころにやっとたどりついた。
港の近くのなんとも寂しい場所にそれはあった。

ここはユースと旅館と併設、といっても区分は無いようだ。
今日はなぜか混んでいて、部屋は1つしか空いていなかった。
とりあえずチェックインして荷物を置いて、おいしい食堂の場所を聞いて街?に向かった。

そこで生牡蛎を1つ食べてみたが、僕は牡蛎は初めてだったので味はよくわからなかった。
牡蛎はちょっと…なので僕はエビフライを食べた。そして食事を終えて宿に戻った。

苫小牧から厚岸まで地図でたどっても360キロあまり。意外に遠いな。
明日は早めに起きて、生牡蛎を買いに行こうということになった。
しかしずっと話しをしていて寝たのは日付が変わった午前1時ころだった。

北海道に上陸 2003,11,2
今日、ようやく北海道に上陸しました。

目が覚めて、時計を見ると4時27分。
あれっ、目覚ましが鳴ったのかな。確か4時半にセットしたはずだけど。
シュラフをたたんでいるとアラームが鳴った。

さっそくシートを元に戻してエンジンをかけた。外はまだ真っ暗。
静まり返った駐車場にセルの音が鳴り響いた。

道の駅から港までは信号は3箇所。10分あまりで港に到着。
ターミナルはまだ閉まっていた。駐車場には数台の乗用車が止まっているだけだ。

5時になるとターミナルの電気がついて、ドアが開いたのでさっそく乗船手続き。
予約はしていなかったが、何の問題も無く2等寝台のチケットが発行された。
いつもピーク期に乗るからな。こんなに楽に乗れるのっていいな。

チケットを受け取り乗船待機場所に車を移動。
6時にはフェリーが接岸した。おっ、定刻だ。○○産業や○○海運とは違うな。
トラックや乗用車が数台降りてきた。ここで降りる車がいるとは意外だな。
6時40分くらいに乗船が開始された。

車両甲板に入るとガラガラだ。なんだ、全然余裕だったな。
この前ネットで空席状況を確認したら△になっていたけど。
まあ新潟始発のフェリーだから、暫定的に△にしてあったんだろう。

そして定刻の7時、朝日を浴びながらフェリーは岸壁を離れた。北海道はもうすぐだ。

その後はベッドで横になり寝たり起きたり。2回くらい夢を見たな。

気がつくと4時を回っていた。何だか暑いな、暖房の効かせ過ぎだ。
甲板に出てみると、日はだいぶ西に傾いて、船体をオレンジ色に染めていた。
もうすぐだな。

ベッドに戻り休んでいると、苫小牧東港のアナウンスが入った。
外に出てみるともう真っ暗。すでに港内に入っていた。
そして定刻の5時20分のちょっと前、車両甲板が開放された。

そして5時20分過ぎ、ついに北海道に降り立った。この時期に来るのは初めてだ。
やっぱり寒く感じたが、それでも予想していたほどではなかった。
ニュースを聞くと、11月にしては63年ぶりの温かさだという。

カーナビ立ち上がるのを待って、車を東に向けた。
車の流れが早い。北海道に来たことを実感する。
途中コンビニに寄って食料を調達。15分ほどで道の駅鵡川に到着。

コーヒーを湧かして弁当を食べ、しばらくテレビを見ながら過ごす。
そして道の駅に併設されている温泉に行った。
冷たい空気の中で入る露天風呂っていい気分だ。
残念ながら星はあまり見えないけど。

さて明日はどこに行こうかな。


本日の走行距離:25キロ  トータル1,141キロ

秋田に到着 2003,11,1
今日から11月か、早いなあ。あと2ヶ月で2004年だよ。

やはり夜中に寒くて目が覚めた。リモコンでエンジンをかけてヒーターを効かせた。
でもこれだと15分で自動的にエンジンが止まってしまう。
しばらくするとまた寒くて目がさめてしまう。今度はキーでエンジンをかけた。
うーん、ダウンのシュラフが欲しいよお。
長い目でみると、多少高くてもガソリンを浪費するよりいいかもしれない。

6時過ぎ、目が覚めると外はすっかり明るくなっていた。天気は快晴だ。
早速シュラフたたんでシートを元に戻し、コーヒーを湧かしてパンを食べた。
そして7時ちょうどに道の駅を出発。

ラジオでローカルニュースを聞いていると、冬の通行止めの予告をしていた。
そうだ、こっちは積雪地帯だから、マイナーな峠越えの道路は通行止めになるんだよな。
そうなると、もう秋も終りって気になってしまうな。

聞いていると、今向かっているR458も6日から冬の通行止めになるようだ。
よかった。今のうちに通っておこう。R112を右折してR458に入った。
初めは狭いながらも舗装道路が続く。しかし途中でダートになった。
それでもそれほど荒れていないので走りやすい。

十部一峠まで来たが、昔あった鉱山は見当たらなかった。
肘折の少し手前まで来ると、崖の上に祠のような建物を発見。
それにしてもすごいところに作ったな。あんな崖の上に。ちょっと行ってみたいな。
しかしどうやって行くのかわからない。あんな崖登れそうもないし。諦めるか。

その先少し走ると地蔵倉の看板を発見。もしかしてさっきのアレか?
ちょっと行ってみるか。路肩に車を止めて、とりあえず階段を登ってみた。
その先も道が続いている。どうやら横からアクセスするようだ。それじゃ行ってみるか。

しばらくは木の階段を登っていく。一気に登ったので息が切れる。
5分ほど登ったころ展望が開けた。ひえーっ、こんなとこ行くのか。恐えーっ。
木も無い垂直に近い崖っプチをハツって作った巾50センチほどの道。
ほとんど隙間無く手すりが付いてはいるが、明らかに僕の重心より低い。
崖の向こうは尾根まで手すりが続いている。大丈夫かな。これも修行なのかな。

意を決して進。下がぬかるんでいて滑る。下を見ないように慎重に歩く。
恐いので崖に寄り過ぎて、ウィンドブレーカーをこすりながらも何とかクリヤー。
その先は尾根に沿って階段があった。
階段を登り終わるとまた崖の道。その先を見るとお地蔵さんが見えた。

おっ、やっとたどり着いたか。といっても10分か15分だけど。
あの崖っプチの道があったから長く感じられたのかもしれない。

再度崖っプチの道を進と崖の窪みにお地蔵さんが並んでいた。
そしてその周辺の崖の岩には穴がたくさん開いていて、5円玉や紙が縛ってあった。
お地蔵さんの籠にお賽銭を入れてお祈りをして、その先の祠のような建物を1周した。
帰りもあの恐い道を通らざるを得ず、仕方なく来た道を通って車に戻った。

その少し先が肘折温泉郷だった。久しぶりだなあ、何年ぶりだろう。
狭い道の温泉街は、すでに店もいくつか開いていて、湯治の人で賑わっていた。
さて、先に進もう。

狭い急な道を下っていると、時々展望が開ける。
あれっ、遠くに見えた霞んだようなヤツはなんなんだ?
止まってよく見ると雲海だ。こんな低いところで雲海がみられるのか。
しばらく進むとその雲海の中に入ってしまった。霧ではなく曇り空になった。

戸沢村で最上川沿いのR47に出て少し東進し、県道34を北上。近道をしてR458に出た。
鮭川村からは県道35をひたすら北上し及位に出た。これで”のぞき”と読む。
そして雄勝トンネルを越えてR13に乗った。

でも市街地のこの道は全然おもしろくない。
途中からR398に逸れ、七曲峠を越えた。七曲といっても40回以上曲がる。
のどかな田園風景、紅葉の中を進んでいく。いつのまにか青空になっていた。

そして再びR398、R107と乗り継ぎ、海岸沿いのR7に出た。おおっ、久々の1桁国道だ。
海にはほとんど波も無く凪いでいた。このまま行くと2時には秋田に着いちゃうな。
それじゃ早すぎる。ちょっと寄り道しよう。

というわけで、途中からR341に乗り再び山の中に入った。
なんだか眠くなってきたので、不動の滝の駐車場で1時間ほど休憩。
そのままR341をひたすら進み、角館まできた。

んんーっ、ここまで来たら武家屋敷を見たいな。
武家屋敷が立ち並ぶ景観地区まで来て車を止めようと思ったら
”武家屋敷の景観を損ないます。駐車ご遠慮下さい”の看板。これは説得力がある。
路上駐車は止め、その先の駐車場に車を止めた。

駐車料金は500円。車を降りて周囲をゆっくり歩いて見て回った。
武家屋敷といっても塀だけの所もあるし、ほとんどは再建されたものみたいだ。
それよりも、大きなしだれ桜や紅葉の方が美しかった。
しかし人力車の姿は妙にこの景観にマッチしていた。

日がだいぶ西に傾いてきた。太陽空をオレンジ色に染めていた。さて戻るか。
車に戻り、来た道を戻り秋田港を目指す。
途中角館温泉があったので、そこに寄って温泉で疲れを癒した。あんまり疲れてないけど。

その先からR13で秋田市街に入ると渋滞している。おおっ、街だ。
市街地を抜け、秋田港に寄ったがすでに閉まっていた。

そして7時過ぎには道の駅てんのうに到着。なぜか駐車場が異常に混んでいる。
そのほとんどは人が乗っていない。いったいどこに行っているんだろう。
8時を過ぎるとパラパラと人が戻ってきて帰っていった。
どうやら隣の建物は体育館のようだ。

さて明日は北海道に渡るよ。朝早いから目覚ましをセットしなきゃ。


本日の走行距離:357キロ  トータル1,116キロ