目が覚めると今日もいい天気だ。
テレビをつけると昨日の苫小牧の製油所のタンクはまだ燃えている。
ナフサは揮発性が高いので、燃え尽きるまで待つしかないのかな。
それにしてもあの煙、大気汚染が心配だ。
天気がいいのでどこかへ出掛けたくなった。そうだ、久しぶりに南アルプス林道に行ってみよう。
朝食を食べたあと、さっそく車を西に向けた。
R1を西進し、興津からR52を北上。この道は本当に久しぶりだ。
所々工事が行われていてペースが悪い。
遅い車を追い越してもその先の工事でまた遅い車に追いついてしまう。
R52を左折し南アルプス街道を北上していく。
しばらく行くと、時間帯通行規制の看板。多分工事か何かだろう。
しかし、そんな看板が数キロごとにある。なんでこんなにたくさんあるんだろう。
気になって止まって見ると、午前中と夜の1日に2回しか通行できないじゃないか。
これじゃ時間帯規制じゃなくて、時間帯通行可だ。
もしかして通れるかもしれない、と思って一番奥まで行くがやっぱり通行止め。
どうやら渋滞や事故を防止するために、時間ごとに一方通行にしているようだ。
何年か前に来た時は、こんな規制はなかったのに。規制解除までにまだ5時間はあるな。
でもここまで120キロも走ってきたんで戻るのも癪だ。仕方ない、待つか。
6時半に開通したとして、林道を抜けるのに1時間、さらに市街地までも1時間はかかるな。
念のため燃料を補給しておこう。この前みたいな石油危機は心臓に悪い。
12キロほど戻って給油。信号はないが数個所で工事をしていてペースダウン。
でもまだ時間あるからいいか。
途中、この辺りを走っている、日本を横断している大断層、フォッサマグナを見に行った。
トンネルができてしまったので、場所を見つけるのにかなり苦労した。
最初看板に従って進んでいったが全然わからない。
広い路肩があったので、そこに車を止めてUターンしようとした。
その前にお腹がすいたので、買ってきたおむすびを1つ食べた。
ふと川原の方を見ると、下のほうに何かモニュメントのような物があった。
なんだ、あれ。と思って車を降りその方に歩いていくと、断層の説明だった。
それを読むと、フォッサマグナが地上に露出しているのは非常に珍しいらしい。
それならもっと目立つように看板を立てればいいのに。
偶然ここに止まらなかったら絶対に見つからなかったよ。
給油を終えて戻って来たが、これからどうしよう。まだかなり時間あるし。
そうだ、近くの温泉に行ってみよう。何年か前から気になっていたんだよな。
車を駐車場に止め、温泉まで坂を登っていく。5分ほどで到着。
町営の温泉で入浴料は400円。
浴室に行くと、けっこう広い総檜作りの浴槽が2つ。それぞれ温度が違う。
温泉成分の分析表を見ると、採取口で42度。ちょうどいい温度だ。
僕はぬるい方に入ったが、多分温度は38度くらいかな。ぬるくて僕にはちょうどいい。
このお湯は源泉で、沸かしてもいないという。無色透明で、僅かに硫化水素の匂いもする。
この温泉は昔から知られていたそうだが、入浴には使わず、全部川に流れていたという。
ぬるいお湯にゆっくり浸かってすっかり温まった。筋肉痛も緩和された、ような気がする。
しばらく国会中継を聞きながら駐車場で休んだ後、5時半になったのでゲートへ移動開始。
ふと駐車場の出口で気になる看板を発見。「甲府方面への通り抜けはできません」
えっ? なになに、通り抜けできない? はあっ、そんなこと聞いてないよ、冗談でしょ。
とりあえずゲートまで行き、そこにいた警備員の人に聞いてみた。
すると、夜叉神区間は崖崩れで当分の間通行止めで、
広河原までしか行けないという。
うぉーっ、なんだよー、せっかく4時間も待ってたのに。
開通を待って進んでも戻ってこなきゃならないじゃん。それも真っ暗で何も見えない中を。
これじゃ来た意味が無い。今度は午前中に出直してこよう。
この林道は、未舗装の断崖絶壁の道路に照明の無い素堀のトンネルなどのワイルドさが売りだ。
それに夜叉神のSS区間も最高に楽しかったのに。それにその先に温泉もある。
周囲はすっかり暗闇に包まれた。仕方なく来た道を戻った。
結局家に戻ってきたのは8時過ぎ。まあこんな事もあるわな。
時間だけはまだあるし。また天気のいい日に行けばいいさ。
今日の夜になって、ようやく苫小牧の製油所の火事も鎮圧状態になったな。
あれだけのナフサを燃料に使ったら、いったい乗用車で何年分になるんだろう。