台湾 初めての海外一人旅
この記録は、僕が初めて行った海外への一人旅
パッカーデビューを果たしたした台湾への3日間の旅の記録である
言葉も文化も違う国、不安もいっぱいだったけど
行ってしまえばどうにかなるものだった
初めての国だけど、でもなぜか懐かしさと暖かさを感じる国だった

★★★2003年7月2日★★★
☆☆☆台湾に上陸☆☆☆

午前5時55分、不思議なことに目覚ましが鳴る5分前に目が覚めた。
早速起きてパンを食べ出発の準備。雨は降っていない。まあまあの天気だ。
パッキングは昨日のうちにほとんど済ませてあるから後は確認だけ。

しかし7時出発の予定がなんだかんだで30分延びてしまって7時半家を出た。
通勤ラッシュとあって道路が混んでいる。この時間には走ったことが無い。
なんでこんなところで、と思うところで渋滞している。
これじゃ早めに高速に乗ったほうがいいな。今までみたいに前泊じゃないからな。
今日は御殿場インターから乗ることにした。いくら混んでても4時間はかからないだろう。

と思ったのだがラジオからは海老名SAで13キロ、用賀で7キロの渋滞情報。
首都高の混雑はある程度予想していたが東名の事故渋滞は予想外だった。
しかし僕が海老名を通過するころには事故処理も終わっていて、幸い渋滞はなかった。

東京料金所では普段右よりのブースがETC専用になっているのだが
今日に限って2つとも赤信号。お〜い、どこに行けばいいんだよお。
よく見ると左側のブースがETCになっている。こうなったら強行突破。
車の流れとはほぼ直角に、真横に進んでなんとかたどり着いた。
こういうことは手前で予告して欲しい。

ここまでは渋滞も無く順調に来た。
しかし料金所から数キロの所で渋滞の最後尾についた。
霞ヶ関まで40分の表示、渋滞は30分くらいかな。
予想通り30分ほどで用賀料金所を通過。天気がよくなってきた。

用賀パーキングで止まり、どういうルートで行こうか考えたが
湾岸線から東関道を通るより、京葉道路を通った方が100円安い。
この前JHのHPで検索して初めてわかった。といことでそのルートにした。

でもこのルートだと箱崎を通らなければならない。VICSでは赤色だ。
いつものことだが昔よりは通りやすくなったからいいだろう。
浜崎橋より先、環状線の内周りを走るのは久しぶりだ。
予想外に箱崎は10分ほどで通過することができた。これならいいな。

そして7号、京葉道路、東関道と乗り継いで大里インターで出た。すでに11時。
意外に時間がかかったな。思ったよりペースが遅かったようだ。
燃料が空になりかかっていたので途中で給油。でもスタンドが混んでいる。
おまけに店員が1人しかいない。お〜い、窓なんて拭かなくていいから早くしてよ〜。
結局ここで10分近いロスタイムになった。

そこからは順調に走行し、ネットで予約した1日500円の駐車場に車を止めた。
空港までバスで送ってもらい、12時ちょっと前に到着。締め切りまで30分だった。

そして指定の窓口に行き、航空券を受け取った。
今回は添乗員はいないし参加したのは僕だけ。ちょっと不安だったけど、
成田は2回経験があるので特に問題なくチェックイン完了。窓側の席が確保できた。

まだ出発まで1時間以上あるので地下のコンビニに行きお結びを3つ買った。
そして出発ロビーの電光掲示板の前の椅子に座り、3つとも食べたらお腹いっぱいだ。
銀行の両替所があったのでちょっと覗いてみたが台湾ドルの扱いが無い。
やっぱり現地で両替するしかないのかな。

周りにはリュックを背負ったいろりろな国の若者がたくさんいる。
僕もパッカーになった気分だ。少しづつ緊張感と期待感が高まってきた。

手荷物検査と出国審査を終え搭乗口へと向かった。
免税店ではタバコを買っている人が多かったようだが気のせいだろうか。
その先にまた銀行があったので見てみたら、ここでは台湾ドルも扱っていた。
あれっ、日本では両替できないと思ってたよ。
とりあえず両替しておくか。一万円で2500元、1元が約4円か。んんっ、ちょっと高いな。

今回搭乗口はシャトルに乗っていくちょっと遠い搭乗口。
シャトルの最前部に乗ってよく見ると、これはワイヤーで動いていたのか。
いわゆるケーブルカーだったのか。知らなかった。

搭乗口に行きしばらくテレビを見ながらまったり。
見た目では日本人も台湾人も見分けがつかないが、周囲は中国語ばかり。
欧米人と思われる人も数人いた。そして13時45分搭乗が開始された。

座席番号は28A、また主翼の上かな、と思ったがなんとエコノミークラスの一番前。
ラッキーだ。ここなら広くて足も組める。前に座席が無いので楽だ。
14時25分ころになってようやく機が動き出し、14時40分無事離陸。時計を1時間戻した。
隣には小さな子供連れの夫婦が来たが、子供がずうーーっと泣いている。どうしてだろう。

しばらくして機内食が配られたが僕はお腹いっぱいなので受け取らなかった。
台北までは3時間あまり。うとうとしているうちに入国カードが配られた。
その他にもSARSのアンケートの黄色い用紙も書かなければならないようだ。

機が高度を下げ始め、着陸態勢になった。外を見ると、おおっ!陸だ、川も見える、台湾だ!
まもなく台北国際空港に着陸。機を降り、ついに台湾に来た。やっと来られた。

まず最初に体温を測られる。これを拒否すると台湾の法律に違反するという。
ここで高熱を感知されると入国を拒否されるのだろうか。

その先が入国審査。最初間違えて市民の方に並んでいたが、様子がおかしいので気がついた。
そしてすぐに外国人のブースに並びなおした。

入国スタンプはインドビザのすぐ横に押されてしまったけどいいのかな。
インドビザは6ヶ月間何回も使えるんだけど・・・、でも行く機会はしばらく無いかな。

税関を通過し外に出ると、出口の正面にダイナーズホリデーと書かれた紙を持っている人がいた。
よく見るとダイナーズは中華航空の系列会社だったんだな。だから安いんだ。
結局待っていたのは僕だけで、ワンボックスカーに運転手と現地係員。VIP待遇だ。
空港から市街まで50キロほど。窓の外を流れる景色が楽しい。
大陸と違ってすごくきれいで日本みたいにも見える。台湾の人は中国のことを”大陸”と呼ぶ。

途中DFSに寄って両替。ここでも体温を測られる。
DFSはレートが悪いかと思ったけど、なんかこっちの方が断然レートがいい。あがやぁ〜。
一万円で約2800元。1元が約3.6円だ。1000円くらいいい。日本で両替しなきゃよかった。

現地の係員(ガイドを兼ねているようだ)はいろいろなことを勧めてくる。
車をチャーターしないかとかマッサージとか高急レストランで食事とか
あげくの果ては偽ブランド品の店や、女の子も紹介するという。
もちろん全て断った。まあガイドにはリベートが入るからな。仕方ないか。

まもなくホテルに到着しチェックイン。ここからはまた一人だ。
一度部屋に行き装備をチェック。ふとデスクを見ると何かのケーブルが出ていた。
よく見るとLANケーブルで、ネットにつながっている。あがやぁ〜!なんてこった!
LANカードを持ってくれば・・・。うーん、よく考えたら台湾は電脳王国だったんだよな。
今度来る時は・・・こんなにいいホテルには泊らないかな。

荷物を整理した後7時過ぎ、街にでかけてみることにした。この時間から行くには夜市しかない。
MRTの駅まで20分ほどかけて歩いていく。台北二大夜市の一つ、士林夜市だ。
行き交う人は何を言ってるのかさっぱりわからないが、なんか親しみがある。
マスクをしている人はあまりいないな。
駅に向かう道にはセブンイレブンやファミリーマートなど日本で見なれたコンビニの他、
吉野屋の牛丼まである。ファミリーマートは”全家便利商店”か、思わず笑ってしまった。

民權西路駅に着くとまず切符を買う。2つ先の駅なので20元。切符はテレカみたいな磁気カード。
改札にさしこむと上面から出てくるので、バーを押して中に進む。
電車は日本の地下鉄のようだがシートはプラスチックで座り心地がよくない。

10分ほどで劍潭駅に到着。駅前に出た。
少し歩くと、あっ!これだこれだ。あったあった。お祭りの屋台みたいのがいっぱい。
狭い道は人がごったがえしていて歩くのもやっとだ。いいなあ、こういうのって。
いろいろな店があって、ほとんどが若者で活気があふれているよ。
昔のお祭りの時にあったスマートボールみたいのや、射的もある。
子供達が楽しそうに遊んでいる。中には大人もいる。みんな楽しそう。
食堂は歩道を全て食卓にしてしまっているので歩きづらい。

ちょっと細い路地に入ってみて店を散策。Tシャツ屋が目に入った。さっそく店に入り物色。
ドラえもんのTシャツがあったがこれは正規品なんだろうか。他にもスパイだーマンが気に入った。
店のおばさんは中国語で何か言っているがさっぱりわからない。
僕は日本語で「これとこれ」、と言ったら「2枚で300元」と日本語で答えが返ってきた。
やっぱり年輩の人は日本語が話せるんだな。この2枚を衝動買い。

歩いていると揚げ物の屋台があり、1個10元だったので3個買って食べてみた。
これはどうやらドーナッツのようだった。でもフランスパンのようになかなかちぎれない。
最後の一つは恐ろしく固いので後回しにした。

結局2時間近く歩き回っていた。そして帰りもMRTで帰ってきた。
途中セブンイレブンに寄ってサンドイッチとお菓子とミネラルウォーターを買った。
ホテルに戻りNHKワールドでニュースを見ていると、カナダはWHOの感染地域の除外を受け
残るはここ台湾だけになった。それであまり日本人を見かけないのかな。

僅か2時間くらいだったけど楽しかったなあ。台湾に来てよかったよ。
明日は一日フリーだ。どこへ行こうかな。


★★★2003年7月3日★★★
☆☆☆台湾を満喫☆☆☆

目覚ましが鳴る15分前の5時45分目が覚めた。
バスタブにぬるめのお湯を溜めてゆっくりと浸かって目を覚ました。
7時ちょうどに1回のカフェに行きブレックファスト。
メニューは中国語と英語だったのでなんとか理解できた。
紅茶とスクランブルエッグとハム、それにトースト2枚だでちょうどいい量だった。

朝食を食べ終わると早速準備。要らない荷物をロッカーに入れた。
Tシャツと半ズボン、トレッキングシューズ、Dパックにウェストポーチのパッカースタイルだ。
8時ちょうどにホテルを出て、民權西路駅に向かった。歩くこと15分、汗が吹き出てくる。

まずは九吩(本当はにんべんに分)に行くことにした。
台北までMRT、台北からは台電で瑞芳まで行き、そこからバス。
MRTで台北まではスムーズに行き、そこからなんとか台電乗り場へとたどりついた。
自強号(特急)は80元で高いから普通列車で行こう。38元。
今度の自販機はちょっと複雑だ。まず枚数のボタン、次に列車の種類
次が子供か大人、そして最後に行き先だ。まあ機械は得意なんで問題なかったけど。

しかし瑞芳へ行くにはどうすればいいんだろう。見たところそっちの方面に行く電車は無い。
途中で分岐してるからどこかで乗り換えなきゃならないんだな。
とりあえず基隆行きにのり、分岐の手前の七堵駅で降りて瑞芳方面行きの列車を待った。
そして駅の時刻表を見ると…あがやぁ〜、12時過ぎまで無いじゃないか。
それに急行列車はこの駅に止まらないんだ。停車駅は次の八堵駅じゃないか。
時刻表をよく見てくればよかったな。まあいいや次の駅に行くか。

次の電車で八堵駅に降り立った。この駅なら基隆方面からの電車があるだろう。
と思ったが、全然ない。ダメだこりゃ。ここから東は電化されていないんだ。
こうなったら基隆まで行きそこからバスに乗ろう。
というわけで後続の電車で基隆に降り立った。40分ほどのロスタイムになった。
おまけに追加運賃12元を取られた。でも窓口のおじさんが日本語が話せてよかったよ。

さて次の難関はバスだ。外国の路線バスなんて初めてだ。バス停の場所もよくわからない。
適当に行ってみたらそこは降り場だった。そうだ、ここは右側通行なんだ。
反対側に渡るとバス停がある。でも行き先などが全然わからない。表示して無い。
しばらく待っても来ないので付近を偵察。ターミナルを見つけたので行ってみたがよくわからない。
窓口に行ってガイドブックを見せ目的地を指差して「ここ」と言うと、向こうだと言っているようだ。
さっき行ったバス停の方を指差している。やっぱりあそこか。

他にも何人か待っているようだったので僕もそこで待っていた。
すると5分ほどで目的の金瓜石行きのバスが来た。
ドアが開いたので早速他の人に続いて乗りこむが、運賃はどうすればいいんだ?
他の人は目的地を告げてコインを運賃箱に入れているが、いったいいくらなんだ?
運転手にガイドブックの目的地を指差すと「スーシー」と言っている。
これなら僕でもわかる。40元だ。運賃を支払い席に着いた。

しかしこのバス、乗り心地が悪いだけじゃなく運転も超荒い。
おまけに路面も悪く、急ハンドルに急ブレーキ。こんな運転したら、日本じゃ苦情の嵐だよ。
まあインドと違ってエアコンが効いているのは快適だ。しかし途中からすごく混んできた。
さらに不安を煽ったのはアナウンスが無いことだ。降りるボタンを押すタイミングがわからない。

40分程で瑞芳駅まで来た。なんだ、基隆からのバスがここに寄るだけなのか。
それなら再初から基隆に行ってればよかったのにな。まあいいや。

それから20分程で九分に近付いてきた。様子を見ていると誰かがボタンを押した。
ここだったら一緒に降りればいいな。と思っていたらそこだった。よかったあ。
なんとかたどり着いたよ。やれやれだ。

バス停でガイドブックを見ていると、おばさんが日本語で話し掛けてきた。
「アソビニキタノ?」と笑顔で言っていた。僕も笑顔で「そうです」と答えた。
そしてみんなに続いて階段を登っていく。息が切れ汗がびっしょりだ。
それにしても日本人に会わないなあ。外国人は僕だけみたいだよ。

途中脇道に入るとそこは屋台街だった。食べ物の屋台の他おみやげもたくさんあった。
どうもこのあたりの屋台の食べ物の匂いが僕には合わない。
一巡りしてコンビニで水とサンドイッチを買って2階建ての東屋の2階に登って食べた。

まだ時間があるので金瓜石まで行ってみるか。台中に行くのは止めにしよう。
食べ終わってからバス停で待っていると10分ほどでバスが来た。
台湾でも手を上げないとバスは止まらない。みんな派手なアクションで手を上げる。
ここでも運賃がわからなかったので、手帳に行き先を書いて運転手に見せると
「ジュウキュウゲン」と答えが帰ってきた。よく日本人とわかったな。
でも台湾のバスはお釣をくれない。9元がなかったので仕方なく20元入れた。

15分ほどで終点の金瓜石に到着した。閑散としていていい雰囲気だ。
ここは以前、ゴールドラッシュがあったが今は掘り尽くされてさびれている。
ほとんど観光化されていなくていいな。さっきと違って人も疎だ。
適当に散策を開始する。戦前日本が建てた神社があるので見に行こう。
長い階段を登っていくと息が切れる。休み休み登っていく。
トロッコのレールや金を掘った施設がまだ残っていて、博物館のようなものを建設中だった。

やっとのことで神社にたどり着いた。鳥居は残っているが建物はもう無い。
一部の建物は壊されたのか、柱しか残っていなかった。ここからの眺めは絶景だ。
しばらく休んでから神社を後にした。そして再び集落を散策開始。
こういう観光地じゃないような所をふらふら歩くのって大好きだ。
戦線、日本が建てた建物が残っていた。今も人が住んでいるようだった。

帰り、1軒だけあるお土産屋の寄ってみた。何やら怪しげな金色に光る石が売っていた。
店のおじさんは日本語が話せなかったが値段を紙に書いてくれた。
僕はその石と、カラフルな卵型の石?と金が入ったキーホルダーを買った。
そしたら石を1つおまけしてくれた。
あまりに暑いのでアイスを10元で買って食べながらバス停に向かった。そろそろ戻ろうかな。

バス停に行くとバスは2台止まっていたが、運転手は2人とも寝ている。大丈夫かよ。
10分ほどすると1台のバスのドアが開いたので乗りこんだ。運転手は寝ぼけ眼だ。
運賃は47元だったがまたしても小銭が無い。仕方ないので50元払った。

途中眠くなりうとうとしていると、ふと目が覚めた。あれっ、誰もいない。終点だ。
すぐに飛び起きてバスを降りた。そして基隆の街を散策。今度は船で来てみたいな。

電車に乗りこみ帰りは問題無いな。と思ったのだが松山駅で車掌が降りろという。なぜ?
降りて行き先を見ると松山行きになっていた。乗るときに確認しなかったな。
階段を上がり別のホームに行き後続の列車を待った。でも数分で来たよ。

台北に到着し、今度はMRTに乗り換えて淡水に行ってみよう。
しかしMRTの案内が無い。さんざん迷ってやっと乗り場を見つけることができた。
日本のように色分けをしてくれればいいのにな。まあわかったからいいか。

そして30分ほどで淡水に到着。駅から少し歩くと屋台街があった。やったあ!おもしろそう。
さっそく散策開始。屋台でタコ焼きみたいのを売っていたので買ってみた。
そして川岸の公園のベンチに座って食べた。人がいっぱいいて楽しいな。
タコは確かに入っているが、タコ焼きとは違ってパリパリしていてカラシも付いている。
でもすごく美味しかった。暑くなったので今度はソフトクリームだ。

摩天楼とか書いてあったがなんだろう。20元払うと作り始めた。
おいおい、ふざけてるんじゃないか?と思うほど高く乗せていく。
これでもか!というほど乗せて50センチほどになった。摩天楼ってこのことか。
そして途中で折って半分をコップに入れてくれた。普通量のの3倍はある。

今度は川岸に座って食べた。溶けてしまわないうちに一気に食べると、頭が痛くなった。

淡水といえば夕陽が美しいことで有名だ。
太陽の方向には飛行機がひっきりなしに飛んでいる。
台北に到着する時見た川はここだったんだ。
そして陽は西に傾き、言葉では現わせないほど美しい夕陽を見ることができた。

完全に陽が沈んだので帰ろうかな。でも夜市にも行きたいな。
そうだ。台北2大夜市のもう一つ。松山の鐃河街観光夜市へ行こう。
空は青さを増し、少しづつ夜の空へと変わっていった。

駅に着き、小銭が少なくなったので両替機に1000元札を入れたら全部50元コインになった。
取り出し口にはスロットマシンの大当りのようにジャンジャンコインが出てくる。
あがやぁ〜。どうすんだよこんなにたくさん。周りの人も見ていてちょっと恥ずかしかった。

MRTに乗りこみ窓越しにマングローブの林を見ながら進む。
台北に到着しとときはもう真っ暗だ。台電に乗り換え松山で降りると夜市はすぐ近くだった。

ゲートをくぐると両側お店でいっぱいだ。こっちはいろんな物を売っていて楽しいよ。
観光夜市といっても外国人は全然いない。みんな地元の若者のようだ。
一通り歩いて見て、僕はドラえもん、キョロちゃん、ぴかちゅうのタオルを3枚100元で買った。
著作権はいったいどうなっているんだろう。

その先で6足100元の靴下が目に止まった。全てアディダスやナイキなどのブランド物。
しかしよく見るとSだけ大文字だったりする。アディダスじゃなくてアディダ・エスか?
それにナイキがこんな派手な色使うだろうか。
でもおもしろかったので思わず買ってしまった。

次はドラッグストアのようなところでバドミントンのラケットのような電撃蚊取り機を買った。
こんなの日本じゃ見たこと無いな。でも触ったらしびれるんじゃないか。これは29元。
その後、ドラえもんや新幹線の絵が書いてあるマスクを買った。
こんなの日本じゃ恥ずかしくてだれもしていないが、台湾では時々見掛ける。
バイクに乗るときに着用している人が多いようだ。SARSの影響もあるかもしれない。

ああ、もう疲れたから帰ろう。台北までは隣の駅だ。

電車に乗りこみ次の駅で降りようとしたら様子がおかしい。台北は確か建物の中だったよな。
おかしいな、確かに基隆行きに乗ったはずだが・・・あっ、間違い無く間違っている。
基隆は反対方向じゃないか。まったく。すぐに飛び降り反対側のホームに行った。
途中の改札で見つからなくてよかった。電光掲示をみると次の電車まで20分。まあいいか。

こんどこそ台北に到着し、MRTに乗り換えるのだがまた迷ってしまった。
まったくこの台北の駅はわかりづらい。まだ漢字が読めるからいいが、
タイなどに行ったらどうなってしまうんだろう。

なんとかMRTの乗り場を見つけ、10時前やっとホテルに戻って来た。
今日は疲れたけど楽しかったなあ。
明日は最終日、午前中だけだけど思いっきり楽しんでこよう。


★★★2003年7月4日★★★
☆☆☆台湾で温泉☆☆☆

今朝も5時過ぎ一度目が覚めたが再び起きたのが6時。時計のアラームだった。
さっそく起きあがってバスタブにお湯を溜めた。今日もいい天気、暑くなりそう。

ゆっくりとぬるいお湯に浸かって目を覚ました。そして出発の準備。
ホテルから空港に向かうのは午後一時だから午前中は時間がある。
チェックアウトは12時なので、とりあえず不要な荷物はフロントに預かってもらう。

7時過ぎ、朝食を食べに一回のカフェに下り昨日と同じ物を注文。
でも出てきたのは昨日と違って目玉焼きとハム、それにハッシュポテト。トーストは同じ。
注文と違ったけどかえってこの方がよかった。

食べ終わると荷物をまとめ、ゆっくりと準備。今日も8時にホテルを出た。
ホテルを出た瞬間、むっとする暑さ。インドの乾いた熱風と違って湿気がある。
汗をかくとなかなか乾かない。日本の暑さとも似ている。

駅まで行くと背中に汗びっしょり。電車の中はクーラーが思いっきり効いている。
まずは新北投温泉(シンペイトウウェンチェン)に行く。温泉好きの僕には見逃せない。
北投まで行って乗りかえるのだが、すぐ次の駅が新北投駅だ。

電車から降り、外に出るとやはり暑い。日差しも強くなってきた。
でもこれがいいんだよ。台湾に来ていることを全身で実感できる瞬間だ。
台北から僅かしか離れていないのに、ここは山の麓で緑がたくさん残っている。

公園に沿って坂を登っていき、地熱谷という所へ向かった。(ガイドブックでは地獄谷となっていたが)
しかしなかなか見つからない。地図の通りに行っているんだがゲートがあって行き止まり。
おかしいなあ、確かに案内の矢印もここを指してるのに。

しばらく周囲を偵察した後、再びゲートの所に行くと、ゲートが少しだけ開いていた。
ゲートの横の看板をよく見ると、どうやら工事中で閉鎖していたのだった。
これじゃわからんよな。僕はゲートの隙間から強引に中に入った。
中には工事関係者と思われる人が入ったようだった。

しばらく歩くと何か異様な光景が見えてきた。なんだこりゃあ!
その先には白濁した大きな池があって、その水面は白い蒸気で埋め尽くされている。
近付くと熱い。この池は温泉が湧きだしてできているんだ。
地獄…、というより夢の中の世界にいるように静かで幻想的だった。青森の恐山を思いだした。
せっかくこれを見に来たのに見られないんじゃ残念だよ。でも見られてよかったよ。
写真を撮って戻ろうかと歩いていくと、おじさんがゲートを閉めている。
「待ってくれ〜」と言わんばかりに走って、閉めたゲートを開けてもらった。やれやれ。

その周囲には温泉がたくさんある。宿泊施設だけじゃなくて日帰りもある。
一人用、二人用、それに家族風呂もあるようだ。でも温泉に来て一人風呂じゃおもしろくない。
日本人にはやっぱり露天風呂だ。少し戻って親水露天浴池に行った。

入口で20元を払い中に入った。祝日は40元になる。
ここは段々になっている五つの湯舟のある露天風呂で全部温度が違う。混浴なので水着着用。
このために僕は水着を用意してきて、ホテルのシャワーキャップも持ってきたのだ。
一応コインロッカーもあるがDパックはとても入りきらない。
20元を入れてウェストポーチだけを入れ、Dパックはワイヤーロックで手すりに括り付けた。

とりあえず水着に着替えて一番下の、一番ぬるい湯舟に入った。
でも水着を着て温泉に入るなんてなんとなく変な気分だ。温水プールに入っているようだ。
温度は多分40度ないだろう。でも僕にはちょうどいい温度だ。体を伸ばしてゆっくりと浸かる。
お湯はやや白濁していて硫化水素の匂いもする温泉らしいお湯だ。
でもなんか皮膚がヒリヒリするような気がする。なめるとすっぱい。結構強い酸性なのかな。

この温泉にはビーチのように真っ黒に日焼けしたおじさんの監視員がいて、
子供がふざけたりしてしていると笛を吹いて注意する。これは日本には無いな。
台湾の人は沖縄と同じようにお湯に浸かる習慣があまりなく、
温泉ではぬるいお湯にゆっくりと浸かるのがいいらしい。
そういえばみんなペットボトルを持ちこんで時々飲んでいたな。

しばらくすると、おじさんが中国語で何か話し掛けてきたが、全然わからない。
僕は「我是日本人」と言うと、おじさんは「ジャパニーズ」と言って笑顔になった。
これくらいなら、僕も話せる。(ウォーシーリーペンレン)

試しに一つ上の湯舟に上がってみたが少し熱くてゆっくり入っていられない。
やはり一番下に戻り、強い日差しの下、空を仰いだ。これくらいの温度がいちばんいい。
温まったところでお湯から上がり、水シャワーを浴びて更衣室に向かった。
汗が引くのを待って着替え、温泉を後にした。ああいい気分だ。
外の泉質の看板を見ると、酸度1.2〜1.4と書いてある。どういうことだ?
酸度って、もしかしてphのこと?もしそうならこれじゃ塩酸だ。
秋田の玉川温泉と変わらないんじゃないか?

来た道をゆっくりと下っていく。蝉の鳴き声を聞きながら歩く。
たくさんのホテルを横目に新北投駅に到着。
北投駅で乗り換えて、今度は一気に新店線終点の新店まで行く。
空席があったので座って外を流れる景色を眺めていたが圓山駅からは地下に入る。
そうなると退屈で寝てしまった。やっぱり疲れているんだろうな。

ふと気がつくと乗客が誰もいない。ありゃっ、もう終点か。急いで電車を降り駅を出た。
駅のすぐそばに川が流れていて、そこが公園になっている。碧潭だ。
店がたくさんあるようだが今日は平日だし11時過ぎでまだ開店前だ。
数軒の店しか開いてなかった。
仕方ないのでコンビニに行き、便當(弁当のこと)を買ってベンチに座って食べた。
公園は閑散としていてほとんど人がいない。みんな吊り橋を渡って向う岸に行ってしまう。

便當を食べ終わり、近くの商店街を散策。
ここは地元の人の市場のようで、観光客向けの物は何もなかったが、
かえってその方がここの人達の生活の一部を垣間見ることができたのかもしれない。

時刻は12時近くになっていた。そろそろ戻らないと。
電車に乗りこみ一路民權西路に向かう。今度は居眠りはできないな。
30分ほどで到着し、駅を出た。これでしばらくMRTともさよならだ。

歩いて15分程でホテルに到着。送迎の人はすでに到着していた。
フロントで荷物を受け取りDパックに荷物を詰めこんでいく。
預けた荷物は大きなコンビニ袋二個もあったので入るかどうか不安だったがさずが45g。
ベルトを緩めると難なく収まってしまった。このバック、結構使えるよ。
しかし背負うと肩にずっしりとくる。かなり荷物が増えたからな。

車に乗りこみ途中DFSに寄ったがここでも体温を測られた。40分ほど時間がある。
でも高級品は買う気が無いので反対側の出口から出て周囲を散策。
僕はこういう店より露店や商店街を散策していた方が楽しい。
そして近くの公園のベンチに座ってまったり。

時間になったので公園を後にし、集合場所に向かって歩いていった。
そしてDFSの隣のコンビニで洋梨ジュースを買って一気飲み。うまかったなあ。

再び車に乗りこみ空港へと向かっていく。
高速道路に乗ると、いつのまにか夢の中へ。
かなりハードな旅だったからな。でもすごく心地いい疲労感だ。

空港に着きチャイナエアラインのカウンターに行きチェックイン。
手続きは現地係員の人がやってくれた。これで次は何の不安も無くこられるな。
そして出国審査の前でお別れ。お世話になりました。

少し辺りを歩いたが、欲しい物も無かったので出国審査のゲートに行った。
ここでもSARSのアンケートを提出させられた。

出国審査を終え手荷物検査を通過。搭乗ゲートへと歩いていく。
次はいつ来られるかな。ちょっと寂しくなった。
台湾は、近いうちに必ずまた来たい所だよ。残った2000元は再両替しないことにしよう。
僅か一日半くらいだったけど、思いっきり凝縮して楽しめたよ。
ちょっと無理しすぎたところもあったけど、今後の教訓にしよう。
そして一人でもなんとかなるもんだなって判ったし、自信もついた。
台湾なら、もうパッカーで来ても大丈夫みたいだ。
まだSARSの影響か、今回一人の日本人にも出会わなかった。

街を歩いていて、ふと気がついた。周りの人の中国語も全然気にならない。
漢字ばかりの看板も、おびただしい数のスクーターも、そんなもんかと思えてきた。
最初、乗れるわけないと思っていた電車もバスも、乗ってみればなんとかなる。
街に、僕が溶けこめたのかもしれない。

搭乗口に行く前に、自販機でコーラを買って飲んだ。
通路は閑散としていて、とても静かだ。
搭乗口の椅子に座り、日記を書いていると、いつのまにか乗客でいっぱいになった。
そして、懐かしい日本語の会話が聞こえてきた。少しだけど、やっぱり日本人はいたんだ。

そして現地時間16時15分ころ機に乗りこんだ。これでしばらく台湾ともお別れ。
また必ず戻って来るよ。

離陸し、30秒ほどして機は右旋回して台北の街が視界から消えた。
水平に戻った時はすでに海しか見えなかった。僕は時計を一時間進め休むことにした。

いつのまにか外が暗闇に包まれ、翼の下には明かりが見えた。帰ってきたな。
日本時間午後8時20分。新東京国際空港に着陸。しかし駐機場に着くまで30分くらいかかった。
機を降りると通路が渋滞している。なんだなんだ、こんなところで。
一人で係員がSARSのアンケートを確認しながら回収しているためだった。

入国審査はパスポートをスキャンしてスタンプを押すだけ。
税関も簡単な質問を受け、荷物も確認せずに通過。
駐車場の会社に電話し、バス停に行くとすでにバスがいた。
そして10分ほどで駐車場に行き車に乗り込んだ。でも、ここは止めた所と違う。
ちょっと迷ったが、カーナビ頼りに高速道路に乗った。

東関道・京葉道・首都高と乗り継いで東名に乗った。途中渋滞に遭遇し30分ほどロス。
東名に乗った後はスムーズに進み、日付が変わった5日午前0時13分無事帰還した。

あー、楽しかったあ。近いうちにまた行ってみよう。
今日はゆっくり休もう。